かな(読み)カナ

デジタル大辞泉 「かな」の意味・読み・例文・類語

か‐な

[連語]終助詞「か」+終助詞「な」》文末にあって、名詞および名詞的な語、動詞・形容詞連体形などに付く。
念を押したり、心配したりする気持ちを込めた疑問の意を表す。「うまく書けるかな」「君一人で大丈夫かな
自分自身に問いかけたり、自分自身の意志を確認したりする意を表す。「あれはどこにしまったかな」「勉強でもするかな
(「ないかな」の形で)願望の意を表す。「だれか代わりに行ってくれないかな」「早く夜が明けないかな
理解できない、納得いかないという意を表す。「先輩に対してあんな口のきき方するかな
[補説]近世以降の用法

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「かな」の意味・読み・例文・類語

か‐な

  1. 〘 終助詞 〙
  2. [ 一 ] ( 哉 ) ( 係助詞「か」の文末用法に、詠嘆の終助詞「な」が付いてできたもの ) 文末にあって感動を表わす。中古以後の用法。上代には「かも」を用いた。
    1. [初出の実例]「能く渟(たま)れる水哉〈俗(くにひと)与久多麻礼流彌津(よくたまれるみづ)可奈(カナ)といふ〉」(出典常陸風土記(717‐724頃)茨城)
    2. 「恋せじとみたらし河にせしみそぎ神はうけずもなりにけるかな」(出典:伊勢物語(10C前)六五)
    3. 「春の海終日(ひねもす)のたりのたり哉〈蕪村〉」(出典:俳諧・俳諧古選(1763)付録)
  3. [ 二 ] ( 疑問や反語を表わす終助詞「か」に詠嘆の終助詞「な」の付いてできたもの ) 疑問をこめた詠嘆や、判断を保留して問いかけたり、自問したりする意などを表わす。近世以後の用法。「かなあ」ともなる。「来るのかな」「そうかな」「具合はどうかな」
    1. [初出の実例]「なるほどさうも譃(うそ)ばなしがしてへかナア」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四)
    2. 「あの方は洋行なすった事があるのですかな」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉二)

かなの語誌

( 1 )上代の「かも」の役割を引き継ぎ、中古、中世にかけて和歌散文で広く用いられた。
( 2 )上代文献の「常陸風土記」にも唯一ながら用例が見られるので、奈良時代に全くなかったとは言えないが、「俗云」の注記から、口頭語としてだけ存在したかと推定される。ただし、風土記の例を後世の補入とする説もある。
( 3 )和歌では、文中の助詞「も」を承けて一種の呼応をなし、「…も…かな」のように用いられる例が目立つ。中世以降は連歌、俳諧等の世界において切れ字として用いられた。


かな

  1. 〘 名詞 〙ねこ(猫)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「かな」の意味・わかりやすい解説

カナ
Cana

新約聖書『ヨハネによる福音書』2章1~11に現れるガリラヤ地方の村。イエスが最初に奇跡を行なった場所とされる。

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世界大百科事典(旧版)内のかなの言及

【カナの婚礼】より

…イエス・キリストが最初に行った奇跡(《ヨハネによる福音書》2:1~11)。ガリラヤのカナCanaという町の婚礼に聖母マリアや弟子たちとともに招かれたイエスは,宴のブドウ酒が尽きたことを聖母から知らされ,6個の水がめに注いだ水を良質のブドウ酒に変える。この奇跡はパンと魚の奇跡とともに最後の晩餐を示唆するものと解釈され,早く(4世紀ころ)から美術に表現された。…

【ハドラマウト】より

…アラビア半島で最も古いアラブの王国の一つがあったところで香料貿易で栄えた。積出港のカナQanaが有名で,《エリュトラ海案内記》にカナの繁栄が記されているが,詳細は今後の発掘調査による。イスラム時代にも,アラブ諸部族の独立,半独立がつづいた。…

※「かな」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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