(読み)ネコ

デジタル大辞泉の解説

ね‐こ【猫】

《「ね」は鳴き声の擬声、「こ」は親愛の気持ちを表す接尾語》
食肉目ネコ科の哺乳類。体はしなやかで、足裏に肉球があり、爪を鞘に収めることができる。口のまわりや目の上に長いひげがあり、感覚器として重要。舌はとげ状の突起で覆われ、ざらつく。夜行性で、目に反射板状の構造をもち、光って見える。瞳孔は暗所で円形に開き、明所で細く狭くなる。単独で暮らす。家猫はネズミ駆除のためリビアヤマネコやヨーロッパヤマネコなどから馴化(じゅんか)されたもの。起源はエジプト王朝時代にさかのぼり、さまざまな品種がある。日本ネコは中国から渡来したといわれ、毛色により烏猫虎猫三毛猫斑(ぶち)猫などという。ネコ科にはヤマネコトラヒョウライオンチーターなども含まれる。
《胴を猫の皮で張るところから》三味線のこと。
《三味線を弾くところから》芸妓のこと。
「―が一枚とびこむと、八右衛門がしらまで、浮気になってがなりだす」〈魯文安愚楽鍋
猫火鉢」の略。
猫車」の略。
[補説]作品名別項。→
[下接語]海猫飼い猫烏(からす)猫唐(から)猫雉(きじ)猫恋猫小猫麝香(じゃこう)猫シャム猫漁(すなど)り猫虎(とら)猫どら猫泥棒猫盗っ人(と)猫野猫野良猫灰猫化け猫ペルシア猫招き猫三毛猫山猫

びょう【猫】[漢字項目]

常用漢字] [音]ビョウ(ベウ)(漢) ミョウ(メウ)(呉) [訓]ねこ
〈ビョウ〉獣の名。ネコ。「猫額愛猫怪猫霊猫
〈ねこ〉「猫舌猫背海猫子猫山猫野良猫三毛猫
[難読]猫糞(ねこばば)斑猫(はんみょう)

ねこ【猫】[絵画]

洋画家、藤田嗣治の絵画。油彩。昭和15年(1940)制作。副題は「闘争」。猫の群れが争うさまを描いたもの。東京国立近代美術館蔵。

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大辞林 第三版の解説

ねこ【猫】

食肉目ネコ科の哺乳類。体長50センチメートル 内外。毛色は多様。指先にはしまい込むことのできるかぎ爪がある。足裏には肉球が発達し、音をたてずに歩く。夜行性で、瞳孔は円形から針状まで大きく変化する。本来は肉食性。舌は鋭い小突起でおおわれ、ザラザラしている。長いひげは感覚器官の一つ。ペルシャネコ・シャムネコ・ビルマネコなど品種が多い。古代エジプト以来神聖な動物とされる一方、魔性のものともされる。愛玩用・ネズミ駆除用として飼われる。古名、ねこま。
〔猫の皮を張ったものが多いところから〕 三味線。 「 -が悪くつて困つたに違ちげえはねえのさ/洒落本・妓娼精子」
〔三味線を使うところから〕 芸妓。 「猿若町の老ふる-が二組さね/安愚楽鍋 魯文
大坂堀江付近・江戸本所回向院付近の私娼。 「回向院ばかり涅槃に-が見え/柳多留 4
猫火鉢」に同じ。
猫車ねこぐるま」の略。 → 猫の恋猫の額猫の目

ねこま【猫】

ネコの古名。 〔和名抄〕

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動植物名よみかた辞典 普及版の解説

猫 (ネコ)

学名:Felis catus
動物。ネコ科のネコ

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

ね‐こ【猫】

〘名〙 (鳴き声に、親愛の気持を表わす「こ」の付いたものという)
① ネコ科に属する家畜化された飼いネコのこと。野生のネコはヤマネコと総称し飼いネコと区別する。体はしなやかで、足指の裏には厚い肉球があり音をたてずに歩く。ひげ(触毛)は暗所の活動に役立ち、瞳孔(どうこう)は明暗に応じて開閉する。社会性の強いイヌに比べ、ネコは本来が単独生活者で、飼いネコであっても野外で自力でネズミや小鳥などを捕食し野良ネコ化しやすい。ペルシアネコ・シャムネコなどの品種があり、毛色によって三毛ネコ・黒ネコ・トラネコなどと区別する。古代エジプト時代に野生のリビアヤマネコを原種に家畜化された。日本で猫を飼うようになったのは、奈良時代に中国から渡来してから。一説によると仏教伝来の際、経典を鼠の害から守るために猫を添えたという。皮は三味線の胴張りに用いる。ねこま。
※霊異記(810‐824)上「我、正月一日狸(ネコ)に成りて汝が家に入りし時〈略〉〈興福寺本訓釈 狸 禰己〉」
※枕(10C終)九「うへにさぶらふ御ねこは、かうぶりにて命婦のおとどとて」
② 表面だけ柔和に見せかけること。知っていても知らないふりをすること、また、そのような人。猫かぶり。「猫をかぶる」
③ 魚好きであること。また、その人。
※雑俳・軽口頓作(1709)「きとくな事・あのまあ魚喰(ネコ)が夏精進」
④ (①の皮を用いるところから) 三味線の異称。
※人情本・娘太平記操早引(1837‐39)初「サアサア騒ぎやせう騒ぎやせう〈略〉猫(ネコ)を一疋持って来て、何ぞ唸って」
⑤ (三味線を使う職業であるところから) 芸妓の異称。
※咄本・芳野山(1773)猫「これかこれかとまちゐけるに、ねこ一人(ひとり)来り」
⑥ (「寝子」からか) 私娼の異称。近世、大坂では堀江(西区北堀江)付近、江戸では本所回向院前(墨田区両国二丁目)などに多かったという。また転じて、江戸ではこれらの岡場所の称。
※随筆・親子草(1797頃)一「本所回向院前、一つ目辨天門前、此二箇所を猫といふ」
⑦ 「ねこぜ(猫背)」の略。
※東京風俗志(1899‐1902)〈平出鏗二郎〉中「置火燵には櫓火燵・行火(あんくゎ)・猫(ネコ)・辻番・大和火燵等の類あり」
⑨ 「ねこぐるま(猫車)」の略。
※多甚古村(1939)〈井伏鱒二〉私娼と女給の件「燐のにほひが鼻を衝き、猫を嚥んだなと私は直ぐ感じた」
⑪ (根子とも) 船具の一つ。和船のまつらの端などの押えや当て物として打ちつける小さい木。〔和漢船用集(1766)〕
⑫ ふいごの内側についていて空気の出る穴をふさぐ皮。〔日葡辞書(1603‐04)〕
⑬ 情人。また、色男。寛政(一七八九‐一八〇一)頃、江戸吉原遊郭での流行語。
※洒落本・鄽数可佳妓(1800)一日「『舛楼の客人はねこか』『いいへ、おたんちんのほふサ』」

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世界大百科事典内のの言及

【ミヤオ族(苗族)】より

…事実,史上に現れるミヤオ族の記載には上述のほか《後漢書》西羌(せいきよう)伝に見える〈三苗〉,唐代樊綽(はんしやく)撰《蛮書》などに見える黔,涇,巴,夏四邑苗衆の例,南北朝時代の《梁書》武陵王伝に見える〈武陵王自九黎侵軼,三苗寇擾〉などの例がある。さらにミヤオの名称は宋代の朱輔撰《渓蛮叢笑(けいばんそうしよう)》,または《元史》世祖本紀などに〈猫〉または〈貓〉として現れる。明代には,《明実録》や《明史》土司伝に土司上官あるいは反賊の頭目としてミヤオ族の動向が多く記述されている。…

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