モイーズ

百科事典マイペディア 「モイーズ」の意味・わかりやすい解説

モイーズ

フランスフルート奏者,音楽教師。現代フルート奏法の確立者として,20世紀のフルート界に多大の影響を与えた。パリ音楽院管弦楽団やオペラ・コミック座管弦楽団で首席奏者を務める一方,ソロとアンサンブルでも活躍。イベールの《フルート協奏曲》など,同時代の作曲家に多くの作品を献呈されている。母校パリ音楽院(コンセルバトアール)の教授(1932年−1948年)としてもニコレらの後進を育てた。1949年以降は米国に定住し,R.ゼルキンらと〈マールボロ音楽祭〉を設立。最晩年まで演奏活動を続けた。1973年初来日。
→関連項目フルート

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改訂新版 世界大百科事典 「モイーズ」の意味・わかりやすい解説

モイーズ
Marcel Moyse
生没年:1889-1984

フランスのフルート奏者。1906年パリ音楽院を卒業。パリ音楽院管弦楽団,パドルー管弦楽団,オペラ・コミック劇場などの首席奏者を務める一方,独奏室内楽でも活躍,各地に演奏旅行し,その非凡な奏法によって名声を高めた。32-48年母校パリ音楽院教授として後進の指導にあたり,A.ニコレなど多くの俊秀を育てる。48年南アメリカに移住,翌49年アメリカに再移住。現代フルート奏法の確立者で,その影響はきわめて大きく,20世紀におけるフルート隆盛の端緒を開いた。73,77年来日した。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「モイーズ」の意味・わかりやすい解説

モイーズ
もいーず
Marcel Moyse
(1889―1984)

フランスのフルート奏者。フランス東部の山村サンタムール生まれ。パリ音楽院を卒業後、パドルー管弦楽団、パリ音楽院管弦楽団、オペラ・コミック座、コンセール・ストララムの首席奏者を務め、一方、独奏と室内楽でも活躍、現代フルート奏法を確立した20世紀最高の名手。1932~49年パリ音楽院教授。34年レジオン・ドヌール勲章を受章。49年アメリカに移住し、バーモント州ブラトルボロで没した。フルートの特質を生かした品格の高い演奏スタイルを完成、後進に絶大な影響を及ぼした。わが国にも73年(昭和48)と77年に来朝し、指導にあたった。

岩井宏之]

『有馬茂夫訳『私のフルート論――マルセル・モイーズ自筆』(1973・村松楽器販売)』『高橋利夫著『モイーズとの対話――おいたちと演奏論』(1978・全音楽譜出版社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モイーズ」の意味・わかりやすい解説

モイーズ
Moyes, Marcel

[生]1889.5.17. サンタムール
[没]1984.11.1. バーモント,ブラトルバラ
フランスのフルート奏者。パリ国立音楽院に学び,同音楽院交響楽団の首席奏者をつとめるかたわら,独奏,室内楽の分野に活躍し,モイーズ三重奏団を組織した。また 1932年母校の教授に就任し,フランス最高のフルート奏者として後輩の指導にあたった。 73年初来日。

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