モニエ(英語表記)Joseph Monier

精選版 日本国語大辞典 「モニエ」の意味・読み・例文・類語

モニエ

(Joseph Monnier ジョゼフ━) フランス技術者鉄筋コンクリート発明者鉄道枕木・梁などを製作した。(一八二三‐一九〇六

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改訂新版 世界大百科事典 「モニエ」の意味・わかりやすい解説

モニエ
Joseph Monier
生没年:1823-1906

フランスの技術者で鉄筋コンクリート工法の発明者。庭師であったが,植木ばちの耐久力を増すために金網にコンクリートを流し込むことを考案し,1867年に特許をとり,さらに77年には鉄筋コンクリートまくら木の特許を得た。鉄筋コンクリートは圧縮力をコンクリートで,引張力を鉄筋で受けもつ構造物であり,この発明により土木建築の技術は飛躍的な進歩をとげた。彼は鉄筋コンクリートの最初の発明者ではないが,耐火床,耐震家屋,橋などをつくり,鉄筋コンクリート工法の啓発普及にその生涯をささげた。また彼が経験的に設計した鉄筋コンクリートの床版や桁は,のちの理論的研究によってその妥当性が裏づけられた。81年に彼の特許はドイツ商社に買収され,鉄筋コンクリートの技術はその後ドイツを中心に発達した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モニエ」の意味・わかりやすい解説

モニエ
Monnier, Henri Bonaventure

[生]1799.6.6. パリ
[没]1877.1.3. パリ
フランスの漫画家,劇作家。風刺漫画家として大きな人気を得,『官庁風俗』 Mœurs administratives (1828) ,『おしゃれ女工』 Grisettes (29) などの傑作がある。劇作家としては,通俗喜劇『乞食』 Les Mendiants (29) でデビュー。軽妙辛辣な作品を得意とし,ブルジョアの俗物の典型ジョゼフ・プリュドムを創造した『プリュドム氏盛衰記』 Grandeur et décadence de M. Joseph Prudhomme (53,改作を重ね『プリュドム氏回想録』〈57〉として完成) によって名声を得た。ほかに『都会と田舎の風景』 Scènes de la ville et de la campagne (41) ,『ばか者たちの宗教』 La Religion des imbéciles (62) など。

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百科事典マイペディア 「モニエ」の意味・わかりやすい解説

モニエ

フランスの技術者。ブーローニュの庭師だったが,金網入りコンクリートの植木鉢を考案し,特許を得た(1867年)。さらに鉄筋コンクリート製枕木(まくらぎ)の特許を取得(1877年)。のちドイツの会社にこの特許を売ったので,鉄筋コンクリート技術はドイツを中心に発達した。
→関連項目ワイス

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世界大百科事典(旧版)内のモニエの言及

【鉄筋コンクリート造建築】より

…RC造建築ともいう。
[歴史]
 コンクリートは建築材料として古代ローマなどでも用いられていたが,鉄筋コンクリートが建築に用いられるようになったのは19世紀中ごろからで,鉄筋を入れたコンクリート製植木鉢や,鉄道まくら木で特許を得たフランスのJ.モニエは,1880年には鉄筋コンクリート造耐震家屋を試作した。その後ドイツのG.A.ワイスらが86年その構造計算方法を発表し,実際に橋,工場などを設計したため,建築全般に広く利用されるにいたった。…

※「モニエ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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