アメリカの物理学者。オーストリアに生まれたが,1899年に家族とともにアメリカに移住。コーネル大学で化学を学んで卒業したが,その後物理学を研究するため再びコーネル大学にもどり,次いでコロンビア大学に移り,1927年,結晶の磁気的性質に関する研究で博士号を取得した。29年からコロンビア大学の講師。結晶の磁気的性質の研究のために,O.シュテルンの分子線の方法を発展させ,原子線が磁場中を通過する際に生ずるラーモア歳差運動の振動数と等しい振動磁場をかけ,そのときの共鳴振動数を測定することによって高精度に電子や原子核の磁気モーメントを決定する方法を開発,これらの研究により44年ノーベル物理学賞を受賞した。1937年からコロンビア大学の教授をつとめるが,第2次世界大戦中はマサチューセッツ工科大学の放射線研究所でレーダー開発に従事,原爆製造計画にも参加した。
執筆者:日野川 静枝
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
ユダヤ教の教師。元来は「わが師」の意味で、トーラー(律法)に通じた指導者に対する尊称であった。彼らは医業、商業、手工業などを生業としつつ律法の研究に精励し、かつこれを教えた。現在では教師、説教者、律法の専門家、冠婚葬祭の執行者、カウンセラーなど、コミュニティにおける多方面の宗教活動に対して、所属のシナゴーグ(礼拝所)から報酬を与えられているのが一般的である。また正統派では、宗教上の戒律に通暁しているかどうか、日常生活の面で戒律を十分に堅持しているかどうかを基準とした資格審査を経て、また改革派その他ではラビ養成機関での正規の教育を修了したのちに、ラビに任ぜられる。
[石川耕一郎]
ユダヤ教の宗教的指導者,教師に対して用いられた敬称。彼らによってミシュナー(口伝律法ハラカーの成文化),ミドラシュ(律法の敷衍と講解),タルムードなどのラビ文学が著され,ユダヤ教の教義が整えられた。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
…ヒマラヤ山脈はその主脈で,南から順にシワリク丘陵,小ヒマラヤ山脈(標高2000~3000m),大ヒマラヤ山脈(6000m以上)と移行していく。 インダス・ガンガー流域平野は,アラビア海のインダス河口デルタから,パンジャーブ,ヒンドゥスターン両平原を経て,ベンガル湾のガンガー・ブラフマプトラ河口デルタへと至る弧状の大沖積平野である。ここは,デカン高原と第三紀褶曲山脈帯とにはさまれた大地向斜帯(褶曲の凹部)にあたり,前記の三大河川水系からの莫大な土砂堆積によって形成された。…
…ここから,〈メシア〉(原義は〈即位に際して油を注がれた王〉)が,世の終りにダビデ家の子孫から現れるという期待と,エルサレム(シオン)を最も重要な聖地とする信仰が生じた。
[〈ラビのユダヤ教〉時代]
前586年にユダ王国が滅亡し,エルサレム神殿が破壊されて古代イスラエル時代は終わる。その後約半世紀続いたバビロン捕囚の苦難を通して,古代イスラエルの宗教的遺産を民族存続の基本原理とする共同体〈ユダヤ人〉が成立した。…
…したがって本項では,古代以来のユダヤ教徒の歴史を述べるのではなくて,〈ユダヤ人〉という概念や存在のもってきた意味を歴史的に問い直すことが中心となる。
[イスラム世界のユダヤ教徒]
イスラム勃興以前から,アレクサンドリアを中心として広く地中海沿岸とくに北アフリカ,またアラビア半島とくにイエメンなど,さらにセイロン,インドにもユダヤ教徒(アラビア語でヤフードYahūd)が定住し,交易に従事し手工業を営んでいた。イスラムの成立とともに彼らはキリスト教徒とならんで〈啓典の民〉として,一定の人頭税(ジズヤ)の支払いを条件にジンミーとして支配権力の庇護のもとにおかれた。…
※「ラビ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加