化学辞典 第2版 「リンデ」の解説
リンデ
リンデ
Linde, Carl von
ドイツの工学者.幼時より機械に関心をもつ.1861年チューリヒ工科大学に入り,R.J.E. Clausius(クラウジウス)などに学ぶ.卒業後,ベルリン近郊の蒸気機関工場に勤務,その後,ミュンヘンの同種会社の技術部門長となった.1868年ミュンヘン工科大学設立とともに理論工学の教授に就任して,技術研究所を設置.1876年には,かれの熱理論研究にもとづき,圧縮アンモニア冷凍機の作製に成功した.1879年大学を離れ,リンデ製氷会社を設立するが,1891年には教授職に復帰し,冷凍機理論を扱う.1895年ジュール-トムソン効果の応用により,ロンドンのWilliam Hampsonよりも1年先んじて空気の液化に成功した.1902年に液体酸素,1903年に液体窒素の分離に成功し,液体酸素はアセチレン灯による溶接機に,液体窒素は窒素化合物の生成に応用された.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報