出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
広島県北西部,太田川の支流柴木(しわぎ)川にかかる三段ノ滝を中心とする峡谷。延長約11km。西中国山地国定公園に含まれ,1953年国の特別名勝に指定された。柴木川は島根県境近くの八幡盆地の水を集めて南流し,北広島町の旧芸北町樽床(たるとこ)(標高約800m)から南東に向きをかえるとともに,急に峡谷を形成し,安芸太田町柴木まで続く。この間の高度差は450m,標高1000m前後の定高性円頂山地を300~600m刻み込み,高さ100m近くの懸崖も少なくない。中国山地の地形は,瀬戸内海側へ階段状に低下する数段の浸食平たん面によって特徴づけられるが,浸食平たん面の段差部分に生じた河川こう配の急変点(遷急点)が上流へと後退し,硬岩部分で新旧のいくつかが停滞したために生じたのが三段峡である。付近の岩石は流紋岩,花コウ斑岩など酸性火成岩類で,これが峡谷に直交する4~5本の北東~南西系断層によって破砕されているため,峡谷はいくどか穿入(せんにゆう)曲流し,多くの滝,急流,深淵をつくっている。中でも竜ノ口,黒淵,猿飛,二段ノ滝,三段ノ滝,竜門,三ッ滝などはよく知られている。また針葉樹と広葉樹の混合からなる原始林が周囲を覆い,西南日本の暖帯要素と東北日本の亜寒帯要素とが混在する。新緑,紅葉の美しさはすばらしく,清流にはゴギ,アマゴ,モリアオガエルが生息する。峡谷入口までJR可部線(2003年可部~三段峡間は廃止)とバスの便があり,峡谷内の散策路も整備され,四季を通じて訪れる人が多い。
執筆者:藤原 健蔵
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広島県北西部、山県(やまがた)郡安芸太田(あきおおた)町にある柴木(しわき)川の峡谷。中国山地の脊梁(せきりょう)部の八幡(やわた)高原から流出する太田川の支流柴木川とその支谷の横川(よこごう)川は、延長約16キロメートルにわたって深い峡谷を刻む。三段滝、二段滝、竜門、猿飛(さるとび)、黒淵(くろぶち)などと名づけられた滝、深淵(しんえん)が連続し、岩壁も高さ100メートルに達する。国の特別名勝に指定され、周囲は原生林をなし、西中国山地国定公園域となっている。峡谷の上流には樽床(たるとこ)ダムと人造湖の聖(ひじり)湖がある。広島市から直通のバスがある。JR可部(かべ)線三段峡駅も利用できたが、同線は2003年(平成15)可部―三段峡間が廃止となっている。
[北川建次]
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