原語はギリシア語のkoinos(共通)+aisthēsis(感覚),つまり〈共通感覚〉に由来するように,体感は身体のさまざまな部分から脳に達する感覚であり,意識下にあって自我の原始的な基礎を構成していると考えられている。体感は局所づけられない,全身の状態の感じといえるものであって,多数の感覚と感情とが融合し,漠然と快とか不快,健康感,疲労感,衰弱感などとして体験されている。このような身体的実存の意識である体感は,われわれが活動しているときには背景的意識にとどまり,障害されたときにかえってはっきりとその存在が気づかれるものである。体感の障害はさまざまな精神障害のさいに認められており,体感症ないしはセネストパチーといわれる。
執筆者:小見山 實
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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