デジタル大辞泉
「切磋琢磨」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
せっさ‐たくま【切磋琢磨】
〘名〙 (「切」は刻む、「磋」はとぐ、「琢」は打つ、「磨」はみがくの意)
① 骨・角・石・玉などを切りみがくこと。みがき上げて細工すること。〔東京教育大本下学集(室町中)〕
※わらんべ草(1660)三「切
(セツ)、磋
(サ)、琢
(タク)、磨
(マ)と云は、切は、のこぎりにて引切、磋は、つちのやうなる物にて、打はり、琢は
やすりにてすり、磨は、こんごうじゃうなどにて、みがかねば玉にはならぬ也」
※伝教大師消息(824‐831頃)「憶前乍別信宿憤欝。夜来不審。道体如何。㝡澄蒙免。但出世之友更無他人。善悪之事未蜜。塔院切瑳琢磨。同入水火」
※
読本・椿説弓張月(1807‐11)前「凡
(およそ)芸術は、夥
(あまた)の月を距
(こえ)年を踰
(こえ)切磋琢磨
(セッサタクマ)の功を積ざれば、その極に至りがたし」
③ 仲間同士互いに戒めあい、励ましあい、また競いあって向上すること。
※応永本論語抄(1420)学而第一「
法眷に成て友々に切瑳琢磨するは、尤も可楽事也」
※
山月記(1942)〈
中島敦〉「己は詩によって名を成さうと思ひながら、進んで師に就いたり、求めて
詩友と交って切磋琢磨に努めたりすることをしなかった」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
切磋琢磨
石や玉などを磨くように学問、技芸、人間性などを磨き上げること。たゆまぬ努力により自己の力量、素質などを磨き上げることのたとえ。また、互いに競い合い、励ましあって向上することのたとえ。
[活用] ―する。
[使用例] 己は詩によって名を成そうと思いながら、進んで師に就いたり、求めて詩友と交わって切磋琢磨に努めたりすることをしなかった[中島敦*山月記|1942]
[使用例] 休マズ、遅刻セズ、仕事セズでも給料はもらえる。いまや社員同志の切磋琢磨はカゲグチ以外にはない[山口瞳*江分利満氏の優雅な生活|1963]
[解説] 「切」はきる、「磋」はとぐという意味で、骨や象牙などを加工する場合にいいます。また、「琢」は細工する、「磨」はみがくという意味で、玉や石を加工する場合にいいます。
出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報
切磋琢磨
骨は切り、象牙は磋(と)ぎ、玉は琢(う)ち、石は磨く、といった精細な加工を施すこと。互いに探究、研鑽(けんさん)し合うことの意。
出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報