古在由秀(読み)コザイヨシヒデ

デジタル大辞泉 「古在由秀」の意味・読み・例文・類語

こざい‐よしひで【古在由秀】

[1928~2018]天文学者東京の生まれ。人工衛星軌道を割り出す「コザイの式」を編み出し、衛星による測地学を確立した。国立天文台台長、国際天文学連合会長などを歴任。平成21年(2009)文化功労者

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「古在由秀」の意味・わかりやすい解説

古在由秀
こざいよしひで

[生]1928.4.1. 東京,豊島
[没]2018.2.5. 東京,中央
天文学者。旧制第一高等学校から 1948年東京大学理学部天文学科に入学。天体力学を学び,のちに東京大学付属東京天文台に勤務。土星の衛星系に関する研究で理学博士となる。アメリカ合衆国に渡り 1958年にスミソニアン天体物理観測所およびハーバード大学天文台の客員研究員となり,人工衛星の運動理論を構築し,実際の人工衛星の運動の解析から地球が西洋梨形であることを発見。また永年摂動によって小惑星軌道傾斜角が大きくなる古在機構を提唱した。この機構は太陽系だけでなく,宇宙のさまざまな力学系で応用されている。1981年東京天文台台長,1988年には初代国立天文台台長,および日本人初の国際天文学連合会長となり,日本の天文学の発展・国際化に貢献した。東京大学,総合研究大学院大学,国立天文台の三つの機関の名誉教授称号をもつ。1979年日本学士院賞・恩賜賞を受賞。1980年日本学士院会員,2009年文化功労者に選ばれた。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「古在由秀」の解説

古在由秀 こざい-よしひで

1928- 昭和後期-平成時代の天文学者。
昭和3年4月1日生まれ。古在由重の甥(おい)。昭和33年渡米し,人工衛星の軌道を算出する「コザイの式」を完成。地球の形がいびつであることを立証した。41年東大教授となり,56年東大東京天文台長。63年国立天文台初代台長。のち群馬県立ぐんま天文台長。54年学士院恩賜賞。55年学士院会員。平成21年文化功労者。東京出身。東大卒。著作に「地球をはかる」など。

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