地軸(読み)チジク

デジタル大辞泉 「地軸」の意味・読み・例文・類語

ち‐じく〔‐ヂク〕【地軸】

地球自転軸南極北極とを結ぶ軸で、地球の公転軌道面に対して約66.5度傾きをもつ。
大地を支えていると想像された軸。「地軸を揺るがす大音響

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精選版 日本国語大辞典 「地軸」の意味・読み・例文・類語

ち‐じく‥ヂク【地軸】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 大地の中心を貫いて、大地を支えていると想像されていた軸。
    1. [初出の実例]「頌声聞於天枢、歌韻響於地軸」(出典経国集(827)二〇)
    2. 「地軸(ちヂク)既摧、山川不載」(出典:太平記(14C後)二〇)
    3. [その他の文献]〔鮑照‐石帆銘〕
  3. 地球自転の回転軸。地球を南北に貫く軸で、公転面に対して約六六・五度傾斜している。
    1. [初出の実例]「地球太陽の周囲を廻転して一歳を為すに、四時の変更ある本原は其軌道を運行すると、地軸の傾斜するとに因り」(出典:改正増補物理階梯(1876)〈片山淳吉〉下)

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普及版 字通 「地軸」の読み・字形・画数・意味

【地軸】ちじく(ぢく)

大地をめぐらす軸。〔博物志、一、地〕地下に四り、四の廣さ十里。地に三千六百の軸り、犬して相ひ擧ぐ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「地軸」の意味・わかりやすい解説

地軸
ちじく

地球の回転軸、また地球の北極と南極を結ぶ直線のこと。大まかな表現をすれば、地軸は黄道面に対していつも約66.5度の傾きをもち、歳差運動によって、約2万6000年の周期でその向きを変えていく。地軸の動きにはそのほか、章動とよばれる周期も振幅も小さい運動が重なっている。

 地軸とはこのように一見わかりやすい概念のように思われるが、実は地球の回転軸は地球に対して固定したものではなく、地球回転の研究が精密化するにつれて、さまざまな軸が定義されてきている。それには、たとえば、最大の慣性能率をもつ地球の慣性主軸として定められる形状軸、ある瞬間の地球の回転で定義される瞬間回転軸、一定期間の回転軸の平均の向きで決められる平均軸などがある。ただし、それらの軸の相互の向きの違いはごくわずかである。

 地球は剛体ではないので、形状軸は非剛体の場合に対し理論的に拡張した定義がされる。この軸の延長が天球と交わる点を天球暦表極という。その位置は1984年以降の天体暦で計算されている。この軸は、最近の地球回転理論における代表的な地軸であるということができる。

長沢 工]


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