日本大百科全書(ニッポニカ) 「後光効果」の意味・わかりやすい解説
後光効果
ごこうこうか
halo effect
原語のままハロー効果といったり、光背効果といったりすることもある。ハローとは太陽や月の周囲に現れる暈(かさ)のことで、転じて神や仏の像の頭の囲りに描かれる後光、光輪のことである。社会心理学的には、ある特定の人物(とくに愛情や尊敬の対象)が、ひとたび、ある点で著しく好ましく、あるいは著しく好ましくないと評価されると、他のすべての点でも不当に好ましく、あるいは非好意的に評価してしまう傾向をいう。このような効果によって、その人物に対する適正な評価や態度がとられなくなる。「あばたもえくぼ」「坊主憎けりゃ袈裟(けさ)まで憎い」といった心理状態がこれにあたる。
[辻 正三]