智頭(読み)ちず

改訂新版 世界大百科事典 「智頭」の意味・わかりやすい解説

智頭[町] (ちず)

鳥取県南東部,八頭(やず)郡の町。人口7718(2010)。町名としては〈ちづ〉と表記する。千代せんだい)川の上流域に位置する。町域の多くを中国山地が占め,東山,那岐(なぎ)山などの山々がそびえる。千代川支流土師(はじ)川,新見川の合流点の小盆地に中心集落の智頭があり,古くから山陰山陽,近畿を結ぶ交通の要地として発達した。近世は戸数約200,駅馬22匹が置かれた宿駅で,六斎市が立ち,茶,紙などの取引でにぎわった。藩政初期から造林が盛んで智頭杉の産地として知られる。国宝の絹本著色普賢菩薩像などの寺宝を有する豊乗(ぶじよう)寺がある。町域の一部は氷ノ山ひようのせん)後山那岐山国定公園に含まれる。JR因美線,智頭急行智頭線,国道53号線,国道373号線が通じる。
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世界大百科事典(旧版)内の智頭の言及

【鳥取[県]】より

…鳥取県はかつては因伯牛の産地として知られたが,1957年を境に衰退し,代わって酪農,養豚,養鶏の比重が高まっている。林野は県域の3/4(1995)を占め,なかでも現,智頭(ちず)町は江戸時代以来,西日本有数の林業地で,製材工場が数多く立地している。かつて盛んだった木炭の生産は衰退し,近年は山村でシイタケ栽培が活発である。…

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