③は、「医語類聚〈奥山虎章〉」(一八七二)に「Instillation 点滴法」とあるが、中国のロプシャイトの「英華字典」や、その影響を強く受けた日本の「附音挿図英和字彙」(一八七三)にはないところから、②の挙例「舎密開宗」のような用法を起源とする蘭学系の訳語である可能性が高い。
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…溶液にした薬剤を注射器によって,直接体内に注入すること。輸液などに際して行われる点滴も広義には注射に含まれる。薬剤の投与方法にはほかに内服,外用などがあるが,注射はこれらの方法に比べ,効果が早く現れること,確実に吸収されること,高濃度の利用が可能なこと,内服不能な患者にも薬剤を投与できること,などの利点がある。…
…しかし,必要熱量を血管から補給するには,ブドウ糖とアミノ酸から成る高浸透圧の液が必要であり,これを末梢静脈から注入すると,静脈炎をひき起こす結果になる。このため,心臓に戻ってくる大量の血液で注入液が希釈されるよう,中心静脈まで管を挿入してゆっくり点滴注入するこの方法が編み出された。末梢静脈から注入する液よりも高カロリーの液を注入することから,高カロリー輸液とも呼ばれ,また,最近では脂肪製剤,ビタミン類,ミネラルなども加えた総合的な栄養補給が可能となったのでTPN(total parenteral nutrition)ともいわれる。…
…注入経路は主として静脈内であるが,皮下に注入することもある。静脈内への輸液は点滴または点滴注射intravenous drip infusionという。点滴はかつてはガラス製の点滴瓶にゴム管を連結したものを用いたが,最近では使い捨て可能なプラスチック製の輸液セットに輸液瓶をつないだ装置が用いられる。…
※「点滴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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