狩猟文(読み)シュリョウモン

デジタル大辞泉 「狩猟文」の意味・読み・例文・類語

しゅりょう‐もん〔シユレフ‐〕【狩猟文】

狩猟のようすを文様化したもの。正倉院の「狩猟文錦」や法隆寺の「獅子狩文錦」に見られる。

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精選版 日本国語大辞典 「狩猟文」の意味・読み・例文・類語

しゅりょう‐もんシュレフ‥【狩猟文】

  1. 〘 名詞 〙 狩猟の光景を文様化したもの。正倉院の狩猟文錦などに中近東からの影響をみることができる。中国唐代に盛行し金銀器、画像石などに施された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「狩猟文」の意味・わかりやすい解説

狩猟文
しゅりょうもん

文様の一種弓矢で獣 (主として獅子) を狩る図を文様としたもの。スキタイペルシアのササン朝時代に流行し,日本へもこの意匠の影響が伝わる。古くは弥生時代の銅鐸浮彫にみられる。法隆寺蔵の『四騎獅子狩文錦』 (国宝) は,ペルシアの武将馬上から獅子を射る図を文様としたもの。正倉院や興福寺の金属製壺は,走る騎馬上から小動物を狩る図を文様化しているが,これらには中国,唐の影響がみられる。平安時代初期以後は使われていない。

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百科事典マイペディア 「狩猟文」の意味・わかりやすい解説

狩猟文【しゅりょうもん】

狩猟の光景を意匠化したもので,騎馬人物が弓矢や槍(やり)で獲物を追う形が多い。狩猟民遊牧民文化で発達し,スキタイ文化ササン朝ペルシアの文化に顕著に見られる。日本には中国を経て伝わり,奈良時代の壺や織物に見える。

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世界大百科事典(旧版)内の狩猟文の言及

【文様】より


【モティーフの分類】
 文様はそのモティーフの種類によって大別すると,幾何学文,動物文,植物文,人物文,自然現象に関するもの(天象の日月星辰文,雲文,水波文,火焰文,山岳文など),文字文などがあげられる。さらにこれらのいくつかを組み合わせた狩猟文や風景文などもある。以下ではこの分類にしたがって,それぞれの文様のモティーフや伝播について述べる。…

※「狩猟文」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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