過激派(読み)カゲキハ

デジタル大辞泉 「過激派」の意味・読み・例文・類語

かげき‐は〔クワゲキ‐〕【過激派】

過激思想をもつ党派一派ロシア革命以後用いられるようになった語。

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共同通信ニュース用語解説 「過激派」の解説

過激派

暴力での共産革命を目指し、テロゲリラを実行する非公然組織を持つ極左集団。1957年設立の「日本トロツキスト連盟」に路線対立が生じ、60年安保闘争を経て分裂した「革マル派」と「中核派」、旧社会党組織から一部が独立した「革労協」などがある。かつては反安保闘争や大学闘争などが主な目標で、ゲリラや内ゲバが相次いだ。学生の加入減少、組織の高齢化が進み、近年は労働運動や市民運動にも参加している。警察庁によると、中核派は4700人。

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精選版 日本国語大辞典 「過激派」の意味・読み・例文・類語

かげき‐はクヮゲキ‥【過激派】

  1. 〘 名詞 〙 過激な方法で、主義、理想を実現しようとする党派、グループ。急進派。過激党。
    1. [初出の実例]「過激派の新聞紙は頻りに政府が不要の巡査及び兵隊を繰出して、〈略〉衆庶を激怒せしめしことを批難せり」(出典:東京横浜毎日新聞‐明治一八年(1885)一月七日)

過激派の語誌

明治期には radical party, ultraist の訳語として「過激党」があてられた。同じ意味で「過激派」の語も用いられるようになり、ロシア革命以降の記事で多用されたが、過激な行動をする集団という意味合いが加わり、昭和四〇年代(一九六五‐)の大学紛争でも使われた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「過激派」の意味・わかりやすい解説

過激派
かげきは
the extreme left

その思想や行動の過激性から日本政治の周辺におかれている政治勢力のうち,共産党や社会党,日本労働組合総評議会など既成左翼を批判する形で生れた新左翼系運動組織を総称する呼び名。 1960年安保改定問題で全日本学生自治会総連合 (全学連) を指導した「ブント」 (共産主義者同盟) に始り,1960年代末の大学紛争の時代には多くの新左翼が運動をになった。しかし大学紛争の終結以後は,新左翼内部の主導権をめぐり内ゲバ事件を繰広げたほか,成田闘争や反大嘗祭闘争などでも武力行使を含むゲリラ闘争を展開しているが,勢力を減少させている。

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世界大百科事典(旧版)内の過激派の言及

【五・四運動】より

…1918年12月の北京の大戦祝勝会で,蔡元培が〈労働神聖〉を,李大釗が〈庶民の勝利〉を演説したのは,そのような社会思潮の反映だったが,同時に民主と科学が社会主義と結びつけられはじめたことの象徴でもあった。ロシア革命ないし働くものの社会に共感を示すようなものは,支配階級からは過激派(ボリシェビキの当時の訳語)とみなされていたが,五・四運動の経験をふまえて実際に中国の共産主義者の隊列が形成される。その中心となったのは,新文化運動の中心的指導者であり,五・四運動のなかで〈北京市民宣言〉を配布して逮捕投獄された陳独秀だった。…

※「過激派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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