アガパンサス(英語表記)African lily
Agapanthus africanus Hoffmg.(=A.umbellatus L'Her.)

デジタル大辞泉 「アガパンサス」の意味・読み・例文・類語

アガパンサス(agapanthus)

ヒガンバナ科多年草。高さ50~100センチ。葉は根際から多数出る。6月ごろ、紫色または白色の花が咲く。南アフリカ原産紫君子蘭むらさきくんしらんアフリカンリリー

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精選版 日本国語大辞典 「アガパンサス」の意味・読み・例文・類語

アガパンサス

〘名〙 (agapanthus) ユリ科の多年草。南アフリカ原産で、観賞用に温室で栽培される。夏、先端長柄のある花を三〇個内外散形につける。花は青紫色または白色。むらさきくんしらん。アフリカンリリー。

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改訂新版 世界大百科事典 「アガパンサス」の意味・わかりやすい解説

アガパンサス
African lily
Agapanthus africanus Hoffmg.(=A.umbellatus L'Her.)

南アフリカ原産のユリ科の半耐寒性多年草。和名ムラサキクンシランは,葉がクンシランに似て花が紫色であることに由来するが,クンシランの仲間ではない。基部に塊茎があり,これより長さ20~40cm,幅約1.5cmの細長い葉を根生し,6~7月ころ葉間より40~80cmに伸びる花茎を出して,その頂に淡藤紫色のユリ状小花を10~30輪くらい散形状に密に咲かせる。花は長さ3~4cmで上部が鐘状漏斗形に広がる。園芸品種が多く,一重咲き,八重咲きのほか,花色も藤紫色,白色もあり,白または黄色の条斑の入る斑入葉種や,小型の矮性品種もある。花言葉は恋の訪れ。庭園用,鉢物用として観賞されるが,植え時は春で,日当りよく肥沃な土地を好む。関東以西の温暖地では戸外越冬をするが,寒冷地では鉢栽培をし,冬季は屋内へ取り込んで越冬させた方がよい。

 アガパンサス属Agapanthusは南アフリカに特産する数種からなり,それらはすべてきれいな花をつけ,栽植される。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アガパンサス」の意味・わかりやすい解説

アガパンサス
あがぱんさす
[学] Agapanthus

ユリ科(APG分類:ヒガンバナ科)の1属名で、アフリカに4種分布する多年草。そのうちで庭園や花壇、切り花用として広く栽培されているのは、南アフリカ原産のムラサキクンシランA. africanus (L.) Hoffmanns.で、これは別名アフリカンリリーafrican lilyという。本種は茎元より太い多肉質の根が多数密生し、葉は細長い根出葉で幅3~4センチメートル、長さ40~50センチメートル。7月ごろ0.7~1メートルの花茎を伸ばし、先端にユリ状の花を20~30個、散形状につけ、八重(やえ)咲きもある。花色は青のほかに白、紫などがある。寒さにはやや弱いが、東京付近では根株は戸外で越冬する。日当りを好むじょうぶな宿根草で、4月ごろ株分けし、そのまま植えかえずに3~4年は花壇に据え置いてもよい。

[神田敬二 2019年1月21日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アガパンサス」の意味・わかりやすい解説

アガパンサス
Agapanthus; agapanthus

ユリ科の宿根草。南アフリカを中心に約 20種が分布する。塊状の根茎をもち,広線形の根出葉の中心部から花茎を伸ばす。初夏から真夏にかけてヒガンバナに似た白色から濃青紫色の散形花序をつける。アガパンサス・アフリカヌス (ムラサキクンシラン) A.africanusは花茎が約 50cmになる。地植えや容器栽培にするほか,切り花としても利用価値が高い。日当りと水はけのよい場所を好み,植付けと株分けは春または秋に行う。数年間,植えたままでも比較的よく開花する。非常にじょうぶで,病虫害の心配はほとんどない。

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百科事典マイペディア 「アガパンサス」の意味・わかりやすい解説

アガパンサス

南アフリカ原産のヒガンバナ科の多年草で,ムラサキクンシランをはじめ数種がある。切花,花壇,鉢植に適する。6〜7月にユリ型で6弁の花を,散状に5〜10個横向きあるいは下向きにつける。花色は紫と白で,八重咲もある。長年植え置くと草勢が落ちるので,ときどき株分けをする必要がある。実生(みしょう)では花が咲くまで4〜5年かかる。

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