シューマイ(読み)しゅーまい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シューマイ」の意味・わかりやすい解説

シューマイ
しゅーまい

焼売(シャオマイ)、焼麦(シャオマイ)とも書く。中国料理の点心(てんしん)の一種で、飲茶(ヤムチャ)のときよく用いられる。元来は広東(カントン)地方で隆盛したといわれる。小麦粉でつくったごく薄い皮に、獣肉のひき肉、エビ、カニ、野菜を包んで小さな円筒形にして蒸し、温かいところを酢じょうゆにニンニクなどの薬味をつけて食べる。猪肉焼売(チューロウシャオマイ)は豚のひき肉にタマネギなど野菜のみじん切りを加えて、シューマイの皮に包んで蒸したもの。蝦仁焼売(シヤレンシャオマイ)は豚ひき肉にエビを加え、野菜とともに皮で包んだもので、干貝(カンペイ)を細かくほぐしたものを加えたり、シイタケマツタケなどを加えるといっそう美味である。また形を4弁の花形にしたり、色彩を2色、4色と材料によって色分けして包んだり、くふうによっておもしろいものができる。

 シューマイをつくるとき、とくに注意を要するのは、獣鳥肉と野菜を混ぜる場合、切った野菜を全部いっしょにして(たとえ少量のネギやショウガのみじん切りでも)、最初にかたくり粉を比較的多めに入れて、よく混ぜ合わせることである。このようにすると、肉類を加え、また、酒、しょうゆなどを加えても、野菜から水分が出ず、そのため具を皮で包んでおいても底が抜けることがなく、いつも美しくできあがる。薄い皮づくりはすこしむずかしいが、日本では市販もされている。

[野村万千代]

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改訂新版 世界大百科事典 「シューマイ」の意味・わかりやすい解説

シューマイ (焼売)
shāo mài

中国料理の点心の一種。小麦粉で作ったごくうすい皮の中に,豚ひき肉やみじん切りの野菜,調味料を加えたものを包んで蒸したもの。カラシじょうゆなどで食べる。中国全土で作られており,〈焼売〉は南方呼称で,北方では〈焼麦〉と称している。中国でも比較的新しい食品で,《清俗紀聞》(1799)に,説明は〈餃子(カウツイン)〉となっているが,図はシューマイによく似ており,このころ,中国にシューマイらしいものがあったことがわかる。しかし文献にあらわれるのは,1872年の《湖雅》に記されているのが最初である。
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