リーコック(英語表記)Leacock, Stephen

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リーコック」の意味・わかりやすい解説

リーコック
Leacock, Stephen

[生]1869.12.30. イギリス,スワンムア
[没]1944.3.28. カナダ,トロント
カナダのユーモア作家,経済学者。フルネーム Stephen Butler Leacock。イギリスに生まれ,6歳のときにカナダへ移住トロント大学,シカゴ大学に学び,1903年からマギル大学で約 30年間経済学を講じ,名物教授として有名であった。しかし本領ユーモア小説で,最も著名な『町の日向点描』Sunshine Sketches of a Little Town(1912)をはじめとして,『ノンセンス小説集』Nonsense Novels(1911),『わがイギリス発見』My Discovery of England(1922)など多数の短編集を著した。批評家としても健筆ふるい,『マーク・トウェーン』Mark Twain(1932),『チャールズ・ディケンズ』Charles Dickens(1933)などの評伝がある。ほかに,自伝『あとに残した少年』The Boy I Left Behind(1946)がある。(→カナダ文学

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改訂新版 世界大百科事典 「リーコック」の意味・わかりやすい解説

リーコック
Stephen Butler Leacock
生没年:1869-1944

カナダのユーモア作家。イギリス生れ。30年余りマッギル大学の名物教授として政治経済学を講じるかたわら,ユーモリストとして多彩な活動をした。オンタリオ州の架空の田舎町に繰り広げられる人間喜劇を軽妙に描いた《ある小さな町のにこやかなお話》(1912)が代表作であるが,《ノンセンス小説集》(1911),《わたしのイギリス発見》(1922)などユーモア作品集はきわめて多い。そのほか政治,歴史伝記,文芸批評など,広範な分野に筆をふるった。座談講演名手としても著名。未完の自伝《わたしのあとに残した少年》(1946)がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リーコック」の意味・わかりやすい解説

リーコック
りーこっく
Stephen Butler Leacock
(1869―1944)

カナダのユーモア作家。イギリスで生まれ、7歳のときにカナダへ移住した。マギル大学で長く政治経済学を講じ、名物教授の名をほしいままにした。『ナンセンス小説集』(1911)、『小さな町の明るいお話』(1912)、『わがイギリス発見』(1922)など30冊を超えるユーモア作品集があり、ほかに歴史、伝記、評論などその文筆活動は多岐にわたった。座談と講演の名手としても有名。

平野敬一]

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