生島足島神社(読み)イクシマタルシマジンジャ

デジタル大辞泉 「生島足島神社」の意味・読み・例文・類語

いくしまたるしま‐じんじゃ【生島足島神社】

長野県上田市下之郷にある神社。祭神生島神いくしまのかみ足島神たるしまのかみ

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精選版 日本国語大辞典 「生島足島神社」の意味・読み・例文・類語

いくしまたるしま‐じんじゃ【生島足島神社】

長野県上田市下之郷にある神社。旧国幣中社。祭神は生島神、足島神。本殿土間の大地を御霊代(みたましろ)とする。延喜式名神大社

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日本歴史地名大系 「生島足島神社」の解説

生島足島神社
いくしまたるしまじんじや

[現在地名]上田市大字下之郷

塩田平東部に鎮座する。

「延喜式」に名神大社とみえる古社で、旧国幣中社。生島足島の神は宮中に奉斎される生島神・足島神の二座であるから、この地の国造(多氏及びその子孫金刺氏・他田氏)が、勧請したものと推察される。神殿は覆屋の中にあり、大社造で、すこぶる古式を存する。神殿を含む本殿は、周囲に池をめぐらす池心ちしんの宮の形態をとり、古代的な社殿配置とされる。後述のようにこの神社には古くから「お遷りの神事」があり、これは本殿に対して北方五〇メートルにある相殿の諏訪神が、生島足島神に対し約半年にわたって供物を献ずる儀式で、諏訪神が生島足島神に奉仕したことを物語るものという。

社名は「新抄格勅符抄」神封部の天応元年(七八一)の条に、封戸一戸をあてられた記事を初見とし、貞観元年(八五九)に従四位上、同年二月に正四位下の神階を授けられた(三代実録)

天文二二年(一五五三)東信濃を制覇した武田信玄は、この社に安堵状を献じ、次いで永禄二年(一五五九)越後上杉謙信との決戦を前に戦勝の願文を捧げている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「生島足島神社」の意味・わかりやすい解説

生島足島神社
いくしまたるしまじんじゃ

長野県上田市下之郷(しものごう)に鎮座。祭神は生島神(いくしまのかみ)、足島神(たるしまのかみ)の2座で、『古語拾遺(こごしゅうい)』に「大八洲(おおやしま)の霊」とある。創立年代は未詳。延喜(えんぎ)の制で名神(みょうじん)大社に列した。古くから領主の信仰厚く、天文(てんぶん)年間(1532~1555)、武田氏をはじめ、甲斐(かい)(山梨県)、信濃(しなの)(長野県)、上野(こうずけ)(群馬県)の諸領主がときに応じて社殿を修造し、願文、起請文(きしょうもん)を奉って崇敬した。現在、それらの願文、起請文83通が宝物として保存されている。旧国幣中社。本殿は池中の島にあり、内陣には床板がなく、土間の大地を御霊代(みたましろ)としている。例祭は9月19日。申寅(さるとら)の年の4月17~19日に式年御柱(おんばしら)大祭が斎行される。また毎年11月3日夜、本殿に向かって建つ摂社諏訪(すわ)神社の祭神を本殿に移し、翌年4月13日まで御粥(おかゆ)を煮て奉る御籠(おこもり)神事が行われる。

[森安 仁]


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改訂新版 世界大百科事典 「生島足島神社」の意味・わかりやすい解説

生島足島神社 (いくしまたるしまじんじゃ)

長野県上田市に鎮座。日本国土の霊である生島大神・足島大神をまつる。現在,本殿は池のなかの島の上にあり,内陣に床がなく,土間の大地が御霊代(みたましろ)とされているが,本来本殿はなく,島そのものが御霊代であった。806年(大同1)神封1戸を寄せられ,延喜の制で名神大社,中世には甲信越の武将が多く崇敬し,その祈願文や起請文が多く残されている。明治の制で国幣中社。例祭9月19日。特殊神事として,境内摂社諏訪神社の祭神建御名方神が,本社に奉仕のため11月3日に移られる御移祭があり,翌年4月18日の還座祭までの間,7日ごとに熟饌を奉る御籠祭がある。
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百科事典マイペディア 「生島足島神社」の意味・わかりやすい解説

生島足島神社【いくしまたるしまじんじゃ】

長野県上田市に鎮座。旧国幣中社。生島神・足島神をまつる。社殿は床のない御室(みむろ)と呼ばれる造りで,大地そのものを神体としている。延喜式内の名神大社とされる。例祭9月19日。7年ごとの春季祭(4月中旬)は御柱祭境外の山宮社は奥宮といわれ,諏訪神をまつる。

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デジタル大辞泉プラス 「生島足島神社」の解説

生島足島(いくしまたるしま)神社

長野県上田市にある神社。祭神は生島大神・足島大神。池の島に置かれた本殿の内陣には床がなく、大地そのものを御霊代(みたましろ)とする。

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事典・日本の観光資源 「生島足島神社」の解説

生島足島神社

(長野県上田市)
信州の神社百選指定の観光名所。

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