デジタル大辞泉
「細布」の意味・読み・例文・類語
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ほそ‐ぬの【細布】
〘名〙
① 細い糸で織った高級の布。
※
書紀(720)天武一〇年一〇月(北野本南北朝期訓)「
新羅〈略〉
調貢れり。金銀銅鉄鹿の皮細布
(ホソヌノ)の類
(たくひ)、各数有り」
② 幅のせまい布。奥州の特産であった。
※後
拾遺(1086)恋一・六五一「
錦木はたてながらこそ朽ちにけれけふのほそ布胸あはじとや〈
能因〉」
※俳諧・犬子集(1633)一〇「ほそ布のせんたくをする賤かやに けふの郡のけふのさむさよ〈
徳元〉」
さい‐ふ【細布】
〘名〙
① 奈良・平安時代、細い糸で織った布。
原料は麻、紵など。上質の布。一般の
調布よりも幅が狭く、
一端の長さが長く
軽い。
※続日本紀‐和銅七年(714)二月庚寅「去レ京遙遠、貢調極重。請代二細布一、頗省二負担一。其長六丈」
② 綿織物の一種。経(たていと)緯(よこいと)とも二〇番ないし二四番ぐらいの細い単糸を、細かく平織にしたもの。
ほそ‐め【細布】
※宇津保(970‐999頃)
嵯峨院「
納殿より、ほそめ、さとめ、むらさいのりなど出す」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
細布
さいふ
綿織物の一種で,経糸,緯糸いずれも 20~26番手の糸を使った平織の布。風合いは粗布と金巾との中間程度とされる。綿織物の低級品で,寝具,ふろしきなどや日おおい,袋物などに使われる。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の細布の言及
【着物】より
…農民は特殊なものでないかぎり紬以上を禁じられた。武家の下僕は豆腐をこす袋や暖簾(のれん)に使う細布(さいみ)(糸の太い粗布)を紺に染めて着,民間の下僕は生平(きびら)(さらさない麻布)を着た。一般の民衆は麻または木綿を常用した。…
※「細布」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」