自由民権論(読み)ジユウミンケンロン

デジタル大辞泉 「自由民権論」の意味・読み・例文・類語

じゆうみんけん‐ろん〔ジイウミンケン‐〕【自由民権論】

人間本来自由であり、平等に政治に参加する権利を持っているとする政治思想自由民権運動理論支柱となった。イギリス功利主義フランスの民権思想などの影響が大きい。自由民権思想。

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精選版 日本国語大辞典 「自由民権論」の意味・読み・例文・類語

じゆうみんけん‐ろん ジイウミンケン‥【自由民権論】

〘名〙 自由民権運動を支えた政治理論。フランスの急進主義の影響が強い。植木枝盛中江兆民らが理論的指導者で、ルソーの「社会契約論」、モンテスキューの「法の精神」、J=S=ミルの「自由論」などから多くを学んでいる。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「自由民権論」の解説

自由民権論
じゆうみんけんろん

明治期の自由民権運動の理論。天賦人権論を基礎とする,政治的・社会的自由の獲得を中心としたブルジョア民主主義論。1874年(明治7)の民撰議院設立建白論争契機に形成されたが,当初は国家を支える自主的精神論の性格が強かった。79年の植木枝盛(えもり)の「民権自由論」あたりから市民的自由の確立の方向に発展し,その実現のための国会開設・憲法制定・地方自治などの具体的要求もうまれた。民権論の到達点は,新聞の論説や著作物,全国の民権結社の趣意書や私擬憲法案に示されており,なかでも植木枝盛の抵抗権・革命権の主張,「憲法草稿評林」の皇帝リコールの主張,中江兆民(ちょうみん)の小国主義の主張は,そのすぐれた達成点である。運動が後退し,国会・憲法が実現されていくなかで,自由民権論も衰えた。

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