朝日日本歴史人物事典 「高橋五郎」の解説
高橋五郎
生年:安政3.6(1856)
聖書翻訳家,著述家。越後(新潟県)柏崎の庄屋に生まれる。本名吾良。群馬郡高崎の竜門寺で仏教と漢学を習う。明治8(1875)年横浜に行き植村正久の紹介でS.R.ブラウンに師事し,聖書の翻訳に参加する。『六合雑誌』『国民之友』に論文を多数執筆する。早稲田,立教などで英学を教える。井上哲次郎との「教育ト宗教ノ衝突」論争では,キリスト教教育を擁護する立場で論陣を張る。カトリック最初の日本語聖書『聖福音書』2巻(1895~97)の訳業にも寄与する。多彩な文才の持ち主であった。<参考文献>海老沢有道『日本の聖書』,鈴木範久『明治宗教思潮の研究』,杉井六郎「高橋五郎小論」(『「六合雑誌」の研究』)
(原島正)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報