あいさ

精選版 日本国語大辞典 「あいさ」の意味・読み・例文・類語

あいさ

  1. 〘 感動詞 〙
  2. [ 一 ] はやしことば一種神楽歌の小前張(こさいばり)歌謡に見える止め拍子のことば。小前張中、「殖槻(うえつき)」「総角(あげまき)」「大宮(おおみや)」「湊田(みなとだ)」の歌の終わりだけに見える特色のある語。
    1. [初出の実例]「〈又末返〉何もせずして、や、春日すら、春日すら、春日すら、春日すら、春日すら、〈本方〉あいさ、あいさ、〈末方〉あいさ、あいさ」(出典:神楽歌(9C後)小前張)
  3. [ 二 ] ( 返答の語「あい」に助詞「さ」の付いた語 ) 返事、または相づちを打つときのことば。
    1. [初出の実例]「アイさ。わたしも心懸て、人の噂は申ませぬ様にいたします」(出典:咄本・聞上手三篇(1773)人の噂)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「あいさ」の意味・わかりやすい解説

アイサ
あいさ / 秋沙
merganser

鳥綱カモ目カモ科アイサ属に含まれる鳥の総称。この属Mergusはもっとも潜水性の発達した魚食のウミガモ類で、体はやや長くウの体形に類似し、嘴(くちばし)が細く鋸(のこぎり)状の歯状突起(歯板)がある。北半球に5種、南アメリカに1種クロアイサM. octocetaceusがあり、ニュージーランドにいた1種シマアイサM. australisは1905年に絶滅した。

 日本には3種が知られる。カワアイサM. merganser全長約65センチメートル、北半球に広く分布し、おもに湖に冬季渡来し、阿寒湖では繁殖例がある。雄の頭部は緑黒色で、後頭部が大きいが羽冠にはならない。下面は白色で脂肪性のピンク色を帯び、背は黒く肩羽の内側は白い。雌は頭部が褐色で、後頭部は羽冠をなす。体は灰褐色で、嘴と足は赤い。ウミアイサM. serratorも北半球に広く繁殖し、日本の江湾にも越冬群がみられる。全長約55センチメートル。雄は一見カワアイサに似ているが、後頭部は羽冠をなし、胸に褐色帯がある。雌は前種と区別困難であるが、嘴の羽毛生え際の形で判別できる。ミコアイサM. albellusはユーラシア産で、冬鳥として浅い湾や川に渡来する。全長約42センチメートルと、もっとも小形で、雄は白色で胸側などに黒線があり、雌の頭部は褐色、体は灰褐色である。北海道では繁殖例が知られる。そのほか北半球の外国産には次の2種がある。オウギアイサM. cucullatusは北アメリカ産の小形種で、雄は後頭部に白地に黒で縁どられた扇状の大羽冠が広がるもっとも美しい種である。コウライアイサM. squamatusはウミアイサに似るが、体のわきに大きい網斑(もうはん)があり、雄に褐色の胸帯はない。ロシア連邦の沿海州ウスリー地方、中国東北地区に特産の希種とされる。

黒田長久


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「あいさ」の意味・わかりやすい解説

アイサ
mergansers

カモ目カモ科のウミアイサ属 Mergus,オウギアイサ属 Lophodytes,ミコアイサ属 Mergellus の鳥の総称。この 3属の鳥は現生種が全部で 6種あり,以前はアイサ属 Mergus に含まれ,この属の鳥がアイサと呼ばれていた。今日ではそのうちの 4種が和名をウミアイサ属として同じ属名で分類され,ミコアイサとオウギアイサは,それぞれ独立した属に分類されている。大部分が北半球に分布する海ガモ類(→潜水カモ類)で,が鋸歯状になっている。日本にはウミアイサカワアイサコウライアイサ,ミコアイサが分布している。(→ガンカモ類

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普及版 字通 「あいさ」の読み・字形・画数・意味

嗟】あいさ

ああ。

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