ウミアイサ(読み)うみあいさ(英語表記)red-breasted merganser

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウミアイサ」の意味・わかりやすい解説

ウミアイサ
Mergus serrator; red-breasted merganser

カモ目カモ科。全長 51~62cm。夏羽(→羽衣)の雄は頭部が緑色の金属光沢のある黒で,逆毛を立てたような冠羽(→羽冠)が後頭に伸びる。後頸から背,初列風切羽は黒い。雨覆羽は白く,飛翔中によく目立つ。頸,腹部は白く,胸は赤褐色の地に黒色の細かいまだら模様がある。非繁殖期の雄は雌に似る。雌は頭部と上頸部が赤褐色,背面が灰褐色。胸は淡い灰褐色で,腹部は白い。雌雄とも赤色で細長く,先がかぎ状に,合わせ目の外縁が鋸状になっている。脚と虹彩も同色。北緯 50°付近から北部で繁殖する。渡り鳥で,ヨーロッパ南部からカスピ海にかけての地域と,東アジアアラスカ半島からカリフォルニア,カナダ東部のノバスコシアからメキシコ湾にいたる北アメリカの湖沼や沿岸海域で越冬する。魚食性だが昆虫やエビ,カエルなども食べる。日本では北方で繁殖した鳥が秋季に渡来し,おもに各地の沿岸海域で越冬する。(→ガンカモ類

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウミアイサ」の意味・わかりやすい解説

ウミアイサ
うみあいさ / 海秋沙
red-breasted merganser
[学] Mergus serrator

鳥綱カモ目カモ科の鳥。魚食のカモであるアイサ類の1種で全長約55センチメートル。北半球北部の海にすみ、日本にも冬鳥として渡来する。

黒田長久


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