ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アウソニウス」の意味・わかりやすい解説
アウソニウス
Ausonius, Decimus Magnus
[没]393頃
ローマ帝政末期の詩人,キリスト教徒の世俗文学の始祖。ボルドーで文法修辞の教師を 30年つとめてから,のちの皇帝グラチアヌスの師傅となり,対ゲルマニア戦に参加。属州各地の知事を歴任,379年執政官に任じられ,引退後は故郷で文筆に専念。キリスト教徒であったが宗教感情に深みはなく,さまざまな韻律であらゆるテーマの詩を作ったが,しろうとの形式遊戯の感がある。代表作は,彼自身の日常生活を描いた詩集『日記』 Ephēmerisと,叙事詩の韻律によって自然美を嘆賞した『モーゼル川』 Mosella (370) 。
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