アジェンデ(読み)あじぇんで(英語表記)Salvador Allende Gossens

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アジェンデ」の意味・わかりやすい解説

アジェンデ
あじぇんで
Salvador Allende Gossens
(1908―1973)

チリの政治家。バルパライソの豊かな中流家庭に生まれる。チリ大学で医学を学んだが、急進的な学生活動家でもあった。チリ社会党創立(1933)に参加し、以後政治家の道を歩み、下院議員、人民内閣の保健相(1939~1942)、上院議員(1945~1969)、上院議長を務め、社会党の重鎮として活躍。1952年以来たびたび大統領選挙に出馬し、1970年の選挙では社共両党を中心とする人民連合の候補者として世界的に注目されるなかで大統領に選ばれた。「反帝・反寡頭勢力」の綱領のもとで、アメリカ系銅山をはじめ内外主要企業の国有化や本格的な土地改革を実施し、対外的にはキューバ、中国と国交を樹立した。これらの改革政策は労働者や低所得者の強い支持を受けたが、チリの社会主義化を恐れたアメリカ政府や国内の保守勢力からの抵抗や圧力にあった。1973年9月、ついに軍と警察がクーデターを起こし、自らも武器をとって闘いつつ劇的な最期を遂げた。

[加茂雄三]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アジェンデ」の意味・わかりやすい解説

アジェンデ
Allende, Isabel

[生]1942.8.8. リマ
ペルー生れのチリの女流作家。自伝的長編精霊の家』 La casa de los espíritus (1982) で認められる。ほかに『愛と影について』 De amor y de sombra (84) ,『エバ・ルナ』 Eva Luna (87) など。

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