アッケシソウ(読み)あっけしそう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アッケシソウ」の意味・わかりやすい解説

アッケシソウ
あっけしそう / 厚岸草
[学] Salicornia perennans Willd.
Salicornia europaea L.

アカザ科(APG分類:ヒユ科)の一年草海水の出入する砂地に生え、茎は高さ10~35センチメートル、濃緑色、円柱形で関節があり、多数の枝を対生する。葉は関節部に対生し、鱗片(りんぺん)状で基部は鞘(さや)状に合着する。花期は8~10月。花は枝端の葉腋(ようえき)のへこみに数個束生して穂状花序をつくり、両性。花被(かひ)は菱(ひし)形状卵形で小さく、雄しべ1~2本、子房は卵形で2本の花柱があり、果実は花被に包まれる。北半球の塩性湿地に広く分布し、北海道、本州四国にみられる。名は発見地、北海道厚岸(あっけし)の地名によるもので、秋に全草が赤くなるのでヤチ(谷地)サンゴ別名がある。

[小林純子 2021年1月21日]

 日本での分布は、現在は北海道、岡山県、香川県のみである。

[編集部 2021年1月21日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アッケシソウ」の意味・わかりやすい解説

アッケシソウ(厚岸草)
アッケシソウ
Salicornia herbacea; glasswort

アカザ科の一年草。満潮時に海水がさしてくるような砂地に生育する。高さ 15~30cm,葉を欠き,茎は深緑色であるが秋には濃い赤色になる。茎からは多くの枝が対生し,その枝には多数の節を生じる。節間両側にあるくぼみに3つずつ小花をつける。日本では北海道厚岸海岸で発見されこの名がついたが,のちに四国の海岸でも産することが知られた。ヤチサンゴ,ハママツの別名もある。

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