アネトール(英語表記)anethole

デジタル大辞泉 「アネトール」の意味・読み・例文・類語

アネトール(〈ドイツ〉Anethol)

大茴香油だいういきょうゆアニス油などの精油中に含まれている香料成分。香料・健胃剤去痰きょたん剤などに用いる。

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精選版 日本国語大辞典 「アネトール」の意味・読み・例文・類語

アネトール

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Anethol ) 大茴香油(だいういきょうゆ)アニス油などの精油中に含まれている香料成分。菓子飲料などの香料、健胃剤、去痰剤(きょたんざい)などにも用いられる。アネソール

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改訂新版 世界大百科事典 「アネトール」の意味・わかりやすい解説

アネトール
anethole

アニス油,ウイキョウ油の主成分で,芳香のある無色液体p-プロペニルアニソールにあたる。融点22.5℃,沸点235℃。水に微溶,ベンゼン,二硫化炭素クロロホルムには可溶。二重結合に臭素を付加したジブロマイドは針状結晶で,融点67℃。酸化によりアニスアルデヒドが得られることから,その原料としても用いられる。水酸化カリウムと熱すればアノールHOC6H4CH=CHCH3を生成する。食品用香料,駆風剤,防腐剤リグニン試薬として用いられる。
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化学辞典 第2版 「アネトール」の解説

アネトール
アネトール
anethole

1-methoxy-4-(1-propenyl)benzene.C10H12O(148).精油成分の一つで,ういきょう油や,だいういきょう油などに含まれる.アニス様の香気をもち,甘味を有する.融点21~23 ℃,沸点232~236 ℃.0.988.1.559.水に難溶.リキュール酒,化粧品,練り歯磨き,アニスアルデヒドの製造などに用いられる.[CAS 104-46-1]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アネトール」の意味・わかりやすい解説

アネトール(データノート)
あねとーるでーたのーと

アネトール

 分子式  C10H12O
 分子量  148.2
 融点   22.5℃
 沸点   235℃
 比重   0.99
 屈折率  (N)1.56145
 引火点  92℃


アネトール
あねとーる
anethole

アニス特有の香味を有する無色の液体。化学的にはp(パラ)-プロペニルフェニルメチルエーテルとよぶ。冷時固化する。スターアニス油(大茴香油(だいういきょうゆ))中に多く存在し、この精油を冷却して結晶を分離するか、分留により製造する。また、アニスアルデヒドと臭化エチルマグネシウムとを反応させ、生成物を脱水させて合成する。食品、菓子の香味づけとして多量に用いられる。

 香辛料の成分として、とくにアニス特有の甘い香りはこの成分による。せっけん香料、口腔(こうくう)剤、リキュールにも使用する。

[佐藤菊正・河野友美]

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栄養・生化学辞典 「アネトール」の解説

アネトール

 C10H12O (mw148.21).

 アニス,スターアニス,ウイキョウなどの精油の主成分.アーモンド油の香味成分でもある(構造式は22ページ)

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世界大百科事典(旧版)内のアネトールの言及

【ウイキョウ(茴香)】より

…【星川 清親】
[薬用]
 果実もウイキョウという。精油を含み,その主成分はアネトールanetholeで,その他種々のモノテルペンからなる。そのほかに脂肪油を含む。…

【ウイキョウ(茴香)】より

…【星川 清親】
[薬用]
 果実もウイキョウという。精油を含み,その主成分はアネトールanetholeで,その他種々のモノテルペンからなる。そのほかに脂肪油を含む。…

※「アネトール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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