アネトール(読み)あねとーるでーたのーと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アネトール」の意味・わかりやすい解説

アネトール(データノート)
あねとーるでーたのーと

アネトール
分子式C10H12O
分子量148.2
融点22.5℃
沸点235℃
比重0.99
屈折率(N)1.56145
引火点92℃

アネトール
あねとーる
anethole

アニス特有の香味を有する無色液体。化学的にはp(パラ)-プロペニルフェニルメチルエーテルとよぶ。冷時固化する。スターアニス油大茴香油(だいういきょうゆ))中に多く存在し、この精油を冷却して結晶を分離するか、分留により製造する。また、アニスアルデヒドと臭化エチルマグネシウムとを反応させ、生成物を脱水させて合成する。食品、菓子の香味づけとして多量に用いられる。

 香辛料の成分として、とくにアニス特有の甘い香りはこの成分による。せっけん香料、口腔(こうくう)剤、リキュールにも使用する。

[佐藤菊正・河野友美

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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