ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アラトス」の意味・わかりやすい解説
アラトス[シキュオン]
Aratos of Sikyōn
[没]前213
古代ギリシアの政治家。出身都市シキュオンを僭主から解放し,マケドニアに対するアカイア連盟に加盟させた。連盟の将軍としてマケドニアの拠点コリント城塞を落し,アテネなどを解放,民主政都市を広め,スパルタなどを除くペロポネソスの全都市を連盟に入れた。前 222年マケドニア王アンチゴノス3世の援助でスパルタを破り,同盟市戦争ではアンチゴノスの後継者フィリッポス5世に加担したが,のちその反ローマ政策に反対。フィリッポスにより毒殺されたとされるが,おそらく結核死が真相。
アラトス
Aratos
[没]前240/前239. マケドニア
ギリシアの詩人。ヘレニズム時代の教訓詩詩人の代表者。アテネでカリマコスと知合い,前 276年マケドニア王アンチゴノスの宮廷に招かれ,王の結婚を賛歌によって祝した。のちシリアのアンチオコスの宮廷を訪れたが,晩年マケドニアに戻った。主著『現象』 Phainomenaは天体の位置と運動,天候の予兆について歌った 1154行の叙事詩で,天体現象の科学的記述としてではなく,美しい星の伝説集として文学的価値が認められる。発表と同時に有名になり,キケロをはじめ多くのローマ人によってラテン語に翻訳された。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報