日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンゼリカ」の意味・わかりやすい解説
アンゼリカ
あんぜりか
angelica
[学] Angelica archangelica L.
Angelica officinalis Hoffm.
ヨーロッパのアルプス地方原産とされるセリ科(APG分類:セリ科)の多年草。茎は高さ1~2メートル、上が枝分れして夏に緑白色の小花が多数傘のように集まって開く。葉はセロリに似て葉柄が太く、長さ50センチメートルほどになる。
[星川清親 2021年11月17日]
利用
中世ヨーロッパでは、その強い香りから魔女の霊草として知られていた。干したアンゼリカの根や茎、葉、種子は胃薬、駆風(くふう)剤(腸管内にたまったガスを排出する薬剤)、興奮剤に利用される。また根から抽出した精油はジンやベネディクティンなどのリキュール類の香料に使われ、茎や葉柄は洋菓子やケーキ類の色づけ、香りづけに用いられる。またアシタバと同属で、若葉が食用にされ、乾燥葉はハーブ・ティーに用いられる。
[湯浅浩史・齋藤 浩 2021年11月17日]