イキトス(読み)いきとす(英語表記)Iquitos

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イキトス」の意味・わかりやすい解説

イキトス
Iquitos

ペルー北東部,ロレト県の県都。首都リマの北北東約 1000km,アンデス山脈を越えたアマゾン低地にあり,アマゾン川本流最上流部にのぞむ。同川の主要河港の一つで,河口から約 3700kmも上流に位置するが,低水時でも大型船が大西洋から遡航できる。インディオ集落があった地に 1864年建設され,19世紀末以降ゴム・ブームにより人口が急増,ゴムの積出港として繁栄。 1912年ゴム生産が激減するとともに人口が減少し,次第に衰退。 50年代以降東部ペルーの経済開発への関心が高まり,その開発中心地として再び発展しはじめた。現在は付近の油田と森林の開発が進行中で,製油所,製材所などがある。港からはゴム,チクル,薬用植物,家具材,綿花,米,コーヒー,タバコ,皮革などを積出す。東部ペルーの文化,宗教,観光の中心地で,市内には国立ペルー・アマソニア大学 (1962) がある。市内の道路は整備されているが,外部から通じる道路がないため,外部との連絡はもっぱら水路空路による。人口 26万 9500 (1990推計) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イキトス」の意味・わかりやすい解説

イキトス
いきとす
Iquitos

南アメリカ、ペルー北部、ロレート州の州都。人口33万4013(1998)、45万0799(2018推計)。アマゾン川の河口から約3200キロメートル上流に臨む河港市で、ペルーの大西洋への商業上、貿易上の門戸である。標高106メートルで、ここまで大型船が遡航(そこう)できる。1863年に天然ゴムの集荷輸出基地として建設された。密林地帯の陸の孤島であるが、石油の積出し港で、製材、精油綿織物、ゴム工業が発達、人口が急増した。

[山本正三]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例