マラニョン(読み)まらにょん(英語表記)Gregorio Marañón

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マラニョン」の意味・わかりやすい解説

マラニョン(Gregorio Marañón)
まらにょん
Gregorio Marañón
(1887―1960)

スペイン作家、医学者。マドリード大学卒業後ドイツに留学し、内分泌学専攻。教授職のかたわら科学的、医学的、文学的エッセイを発表、とくに臨床医学的な観点を生かした伝記物で斬新(ざんしん)な解釈を打ち出した。1930年にはオルテガ・イ・ガセーらと「共和制擁護のための集団」を結成し政治的発言も多くなる。内戦勃発(ぼっぱつ)するとアメリカやフランスに亡命、1943年に帰国。思想的には穏健なリベラリストで、人類の未来と進歩を信じる楽観主義にたつ。代表作に『カスティーリャのエンリケ4世』(1934)、ドン・ファン解釈に新機軸を出した『ドン・ファン』(1940)、『ルイス・ビーベス』(1942)などがある。

[佐々木孝]


マラニョン(ブラジル)
まらにょん
Maranhão

ブラジル北東部の州。面積33万3365.6平方キロメートル(1996)、人口565万1475(2000)。アマゾン地方に隣接する州北西部は高温多湿な森林地帯、南東部はセラードサバナ原野をなす。海岸部に広く群生するハハズヤシの実からとれる油は州の重要な産物で、米や綿花の生産、牧牛および沿岸海域における漁業も行われる。カラジャス鉄山と州都サン・ルイスを結ぶ鉄道沿線の開発が進められている。

[松本栄次]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マラニョン」の意味・わかりやすい解説

マラニョン
Marañón, Gregorio

[生]1887.5.19. マドリード
[没]1960.3.27. マドリード
スペインの医学者,作家。1911年マドリード大学を卒業。スペインの内分泌学第一人者として知られる。内分泌学関連の著作のほか,『オリバレス公伯爵』El conde-duque de Olivares(1936),『ドン・フアン』Don Juan(1940),『エル・グレコとトレド』El Greco y Toledo(1957)などの評論がある。

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