熱帯地域を中心に流行している感染症・寄生虫症で、発展途上国に経済的負担をもたらしている。世界保健機関(WHO)が17の病気を指定。先進国での発症例が少ないため、支援が進まないという問題がある。感染者数は約10億人、半分がアフリカにいるとみられる。日本では近年発生していない狂犬病や、ツェツェバエが媒介するアフリカ睡眠病などが含まれる。ことしの先進7カ国首脳会議の首脳宣言でも、協調して取り組むことが確認された。
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
熱帯地域に集中して蔓延(まんえん)している寄生虫疾患や細菌による感染症。略称はNTD、またはNTDs。世界の100を超える国々で、とくに貧困層を中心に10億人以上が複数の疾病に感染しているが、有効な診断法や治療薬が少なく、年間50万人ほどが死亡するといわれている。NTDの多くは先進国ではあまりみられないため、2002年に「グローバルファンド」が設立されて全世界で対策が進んでいる三大感染症(結核、マラリア、エイズ)に比べて実態把握が進まず、予防や適切な治療に十分な対策が講じられないままとなっている。こうした熱帯病の予防と撲滅には、これらの地域に住む人々の生活水準の向上や、衛生環境および栄養状態の改善が求められる。そのためには国や製薬会社などが連携して包括的な対策を考えていく必要があるが、医薬品を開発してもその採算性が低いことが予想されるため、治療薬の開発がなかなか進んでいない。このような理由から、neglected(顧みられない)という表現が使われている。
世界保健機関(WHO)は、以下の17の疾患群を顧みられない熱帯病としている。デング熱、狂犬病、トラコーマ、ブルーリ潰瘍(かいよう)、トレポネーマ感染症(イチゴ腫(しゅ)を含む)、ハンセン病、シャーガス病(アメリカトリパノソーマ)、アフリカトリパノソーマ(睡眠病)、リーシュマニア症、嚢虫(のうちゅう)症、メジナ虫症(ギニア虫症)、包虫症、食物媒介吸虫類感染症、リンパ系フィラリア症(象皮病)、オンコセルカ症(河盲症)、住血吸虫症(ビルハルツ住血吸虫)、土壌伝播(でんぱ)寄生虫症(腸内寄生虫)。
これらの感染症への対策として、2008年(平成20)の第34回主要国首脳会議(北海道洞爺(とうや)湖サミット)ではNTDに感染した人々に支援を届ける宣言がなされ、また2012年には、製薬会社、WHO、日本を含む各国政府、世界銀行などが集まって、10のNTDを2020年までに撲滅・抑制するために寄付や研究などで協力する「NTDに関するロンドン宣言」が採択された。同宣言では、2020年までにリンパ系フィラリア症、トラコーマ、アフリカトリパノソーマ、ハンセン病、メジナ虫症を絶滅させ、土壌伝播寄生虫症、住血吸虫症、オンコセルカ症、シャーガス病、リーシュマニア症の感染者数を抑制するという目標が掲げられ、日本を含む世界の製薬会社からの治療用医薬品の無償提供、および財団などからの資金提供も決まった。
[編集部]
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