インゴルシュタット(読み)いんごるしゅたっと(英語表記)Ingolstadt

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「インゴルシュタット」の意味・わかりやすい解説

インゴルシュタット
Ingolstadt

ドイツ南東部,バイエルン州の都市。ニュルンベルクミュンヘンのほぼ中間ドナウ川の渡河点にある。 806年に地名が現れ,1250年に都市権獲得。 1392年以後はバイエルン=インゴルシュタット公の居地となった。 1472~1800年の間バイエルン大学の所在地として知られ,19世紀には要塞都市となった。現在も旧市街を取巻く厚い囲壁が残存する。レーゲンスブルク-ウルム間,ニュルンベルク-ミュンヘン間の両鉄道線の交点にあたり,工業は自動車,機械,繊維などのほか,特にジェノバマルセイユからパイプラインが通じ,石油精製石油化学工業が発達した。旧市には 14世紀の城壁の一部や市門,15世紀の寺院,城館跡の博物館などがある。人口 12万4387(2010)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「インゴルシュタット」の意味・わかりやすい解説

インゴルシュタット
いんごるしゅたっと
Ingolstadt

ドイツ南部、バイエルン州、ドナウ川に臨む工業都市。人口11万5700(2000)。ドナウ川が分流していた時代、渡渉に便利な地点であったので、先史時代、近くにケルト人集落があった。その後14世紀ごろから流路の改修が進められ、交易が盛んになり、バイエルン公の城下町となって発展した。15世紀には、現在ミュンヘンにある大学が建てられたが、その後の打ち続く要塞(ようさい)都市化によって、1802年にランツフートに移された。第一次、第二次両世界大戦後、一変して工業化が進められた。自動車工業がその原動力となったが、1960年代には石油のパイプラインが引かれ、バイエルン州の石油精製と石油化学工業の中心地となった。

[石井英也]

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