翻訳|informercial
インフォメーション(情報)informationとコマーシャルcommercialとを結び付けた合成語で、コマーシャルメッセージcommercial messageの一種。インフォーマティブ広告informative advertisingともいう。テレビショッピングのツールとして、もともとアメリカで生まれた概念だが、日本ではより広い意味で使われる。商品の特長や利便性を詳しく説明し、具体的な知識を消費者に提供することにより、商品への理解を深めようとする場合に活用する広告手段である。通常のコマーシャル(CM)が15秒や30秒であるのに対し、5~30分という長い時間をかけた情報量の多いCMで、30分番組丸ごと、という場合もある。商品の使い方、効果効能などを詳細に伝えることができ、複雑な特長をもつ商品、選択基準が確立していない商品分野など、通常の広告だけでは購買行動が喚起されない商品や分野に向く。1970年代に入って以後民放テレビ界が成熟する過程で、マルチメディア化や多チャンネル化が進んだ。それに伴い、ケーブルテレビが普及し衛星多チャンネル放送およびデジタル放送が進化するなかで、インタラクティブ性(双方向性)を組み込んだ広告手段として、インフォマーシャルは日本の広告市場での市民権を獲得している。加えて1990年代以降はインターネットの普及とともに、ホームページを開設する企業が増加し、そのホームページ上で顧客は自らが求める商品やブランドを確認するという習慣が醸成されていった。こうした環境下で、実体としてのインフォマーシャルは日本の社会にすっかり定着しているとみることができる。
[伊藤誠二]
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