イースト・ロンドン(読み)いーすとろんどん(英語表記)East London

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イースト・ロンドン」の意味・わかりやすい解説

イースト・ロンドン
いーすとろんどん
East London

南アフリカ共和国、東ケープ州の港湾都市。人口21万2323(1996)。バッファロー川河口に位置し、インド洋に面する同国有数の天然の良港をなす。港は東岸埠頭(ふとう)(1000メートル)と西岸埠頭(460メートル)からなり、造船所、石油精製所などの施設をもつ。東ケープ州、自由州南部の農産物トウモロコシ羊毛柑橘(かんきつ)類、冷凍肉)の積出し港であり、機械、自動車組立て、繊維、缶詰、家具工場などの工業都市でもある。1830年代には、入植者と先住のアフリカ人との間で起きたカフィール戦争の補給基地として、帆船クニスナ号が初めて河口に投錨(とうびょう)し、ポート・レックスと称した。47年にはグラモーガン要塞(ようさい)が建てられ、ケープ総督のH・スミスによってイースト・ロンドンと命名された。町は初め西岸にあったが、ケープ東部鉄道駅が東岸にできてから東岸部が発展し、西岸部は工業地帯となっている。博物館、ゴルフコース、自動車レース場などの施設をもつ。

[林 晃史]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イースト・ロンドン」の意味・わかりやすい解説

イーストロンドン
East London

南アフリカ共和国東ケープ州南部,インド洋に臨む港湾都市。アフリカーンス語では Oos-Londen。1836年この地に開港したイギリス人のレックスにちなんでポートレックスと呼ばれたが,1847年第7次カフィル戦争の補給基地となり,翌 1848年ケープ植民地に組み入れられて現名称に改名。1873年自治権を得,1914年に市になった。市街はバファロー川河口東岸の高台を中心に発達し,西岸とは道路,鉄道両用の橋で結ばれる。目抜き通りのオックスフォード通り,海水浴場の海岸に沿って北東に延びる海岸通りなど広い街路が発達し,19世紀末建造の市役所,裁判所,第2次世界大戦後の中央市場など,新旧の建造物,工科大学,美術館,水族館,動物園,博物館などがある。空港,港湾設備をもつ交通の要衝。羊毛,毛織物,石鹸,靴,果物の缶詰,自動車組み立てなどの諸工業や水産業,商業が盛ん。おもにトウモロコシ,羊毛などを輸出し,石油,木材,穀物などを輸入。西のキングウィリアムズタウンと連接して大都市圏を形成している。人口 13万5560(2001)。

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