エコポイント(読み)えこぽいんと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エコポイント」の意味・わかりやすい解説

エコポイント
えこぽいんと

省エネルギー性能に優れた物品やサービスの購入ほか、環境保護に役だつ活動に対してポイントを付与する制度、あるいはそのポイント。原則1ポイントを1円に換算し、(1)省エネルギー型商品やサービスとの交換、(2)全国で使える商品券との交換、(3)地域振興に役だつ特産品などとの交換、(4)環境保護団体などへの寄付、等々に使える。エコポイント制度には、消費刺激効果のほか、二酸化炭素の排出抑制や地上デジタル放送地デジ)対応テレビなど特定商品の普及といった目的がある。実施形態は、ポイント原資を税金に頼る財政依存型と、民間企業がポイント原資を負担して自主的に実施する民間主導型とに大きく分かれる。

 財政依存型には、リーマン・ショック後の景気対策として政府が2009年(平成21)5月から2011年3月まで発行した家電エコポイントがある。対象は省エネ性能に優れたエアコン冷蔵庫、テレビ(地デジ対応)の3種類の購入や買い替えに伴う古い製品のリサイクルで、政府は期間中、約6400億円相当のポイントを発行した。政府の試算によると、家電エコポイントの導入で家電3種の販売高を約2.6兆円押し上げ、二酸化炭素の年間排出量を約270万トン削減できたことになる。政府はまたリーマン・ショック後や消費増税後の景気対策として、省エネ基準を満たした住宅の新築改修を促すための住宅エコポイントを導入。実施期間は2009年12月~2011年7月、2011年10月~2012年7月、2015年3月~2016年1月で、新築・改修に最大30万ポイントを付与した(2015年3月以降はエコリフォームと併せて耐震改修した場合最大45万ポイント)。なお家電エコポイント、住宅エコポイントともに財政面の制約から実施は期間限定である。

 一方、民間主導型には、家電量販店、住宅関連企業、商店街などが独自に発行するエコポイントがあり、政府のエコポイント終了後に落ち込む消費を下支えするねらいで実施されている。また環境省は2009年から、環境に配慮した物品やサービスの購入者のほか、環境に配慮した行動をした人にもエコ・アクション・ポイントを付与する会員制度を始めた。同制度に参加した民間企業などが提供する省エネ型商品の購入、環境配慮型ホテルへの宿泊、廃油や不要になった衣服の回収ネットバンクの利用などが対象であった。ポイント原資は参加企業の自主負担で、制度の管理・運営も2012年度から民間企業へ委託していたが、2015年9月で会員登録を終了した。

[編集部 2015年12月14日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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