エスキモー語とアレウト語からなる。両者の類似はすでに18世紀後半に気づかれているが,初めて同系の証明を企てたのは,印欧比較言語学史に有名なラスクRasmus K.Rask(1787-1832)である。原エスキモー・アレウト語から二岐的に分かれたというよりむしろ,古くはさらに別の同系の言語があったと推定され,原エスキモー語も原アレウト語もベーリング海峡近辺におそらく存在した古い方言連続体の小断片にすぎぬものかもしれない。これまでウラル語族,インド・ヨーロッパ語族,チュクチ・カムチャツカ語族などとの系譜的関係が提唱され,かつその立証が試みられてきたが,いずれも仮説の域をでない。新大陸原住民の言語のうちでは,もっとも新しい時期に旧大陸に入った語族と推定されている。旧アジア諸語に含められる。
執筆者:宮岡 伯人
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報