えりも町(読み)えりもちよう

日本歴史地名大系 「えりも町」の解説

えりも町
えりもちよう

面積:二八三・八七平方キロ

昭和四五年(一九七〇)一〇月一日、幌泉ほろいずみ幌泉町町名改称したことにより成立、旧幌泉町時代の一〇字を継承したが、同日字幌泉は字本町ほんちように、字襟裳えりもは字えりもみさきに改称した。日高支庁管内の最南端に位置し、町域は襟裳岬下端とする逆三角形に近い形状を呈している。南西側と南東側は太平洋に臨み、北は東側で様似さまに町、西側では十勝支庁の広尾ひろお広尾町に接する。町域の中央部には日高山脈最南端の豊似とよに(一一〇五メートル)観音かんのん(九三二メートル)などがそびえ、これら山地の南側裾野に発達した段丘が急斜面をなして太平洋と接している。様似町から海岸沿いに当町に入った国道三三六号は歌別うたべつから内陸部に入って庶野しよやに抜け、再び海岸部を進んで十勝に向かっている。また歌別で同道から分岐して海岸沿いに南東に向かい、襟裳岬で反転して北西部の海岸沿いを進み、庶野で再び国道三三六号に合流する主要道道襟裳公園線が通っている。襟裳岬の南東沖合四五キロにある海台の襟裳堆は、メヌケスケトウダラ格好漁場となっている。

近世はホロイツミ場所(初めアブラコマ場所)に所属。明治二年(一八六九)八月の国郡画定により幌泉郡となり、同六年までに幌泉村など九ヵ村が成立(日高国地誌提要)。明治二年場所請負制度の廃止により、ホロイツミ場所請負人福島屋(杉浦)嘉七は罷免となった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「えりも町」の意味・わかりやすい解説

えりも〔町〕
えりも

北海道南東端,太平洋に面する町。 1959年町制。 70年幌泉町から現名称に改称。江戸時代から水産業で開けた。コンブの生産が多く,サケマス,タコ,ツブガイなどの沿岸漁業も盛ん。畜産業も行われる。町域の大部分日高山脈襟裳国定公園に属し,襟裳岬,南部藩御用船が遭難した赤土と草原続きの百人浜などの観光地がある。断崖が連続していたため,開通までに多額の工費を要した黄金道路が通っている。面積 284.00km2。人口 4374(2020)。

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