皮膚、骨、血管、内臓などに含まれるコラーゲンの生成や代謝に生まれつき異常があるために、皮膚の異常な
コラーゲンの生成や代謝に関係する遺伝子の異常で起こります。コラーゲンは、身体を構成している全蛋白質の30%を占めている重要な構成成分で、さまざまな組織に強度と弾力性を与えるはたらきをしているため、その異常により組織が
コラーゲンには多くの種類があり、また組織によりその構成や代謝が異なるために、原因となる遺伝子の違いにより症状の現れ方や遺伝形式が異なってきます。
病型により異なりますが、一般的にみられる症状としては、皮膚過伸展(引っ張ると皮膚が伸びやすいが放すと元にもどる)、皮膚脆弱性(
血管型エーラス・ダンロス症候群では、大動脈瘤解離(りゅうかいり)や血管破裂、腸管や子宮などの内臓破裂を起こすこともあります。
理学的所見(医師による診察)と問診(病歴・家族歴)に基づいて診断されます。その他、皮膚生検、心血管超音波検査、CT検査、MRI検査、等も必要に応じて行われます。一部の病型では遺伝子解析による診断も可能です。
痛みの緩和などの対症療法が中心になります。血管型では侵襲的な(身体に負担のかかる)検査や手術はなるべく避けます。
病型分類に基づき、症状に合わせた生活管理をしていきます。血管型では、血管破裂や腸管破裂、妊娠時の子宮破裂などの緊急事態に備えて、普段から医療機関や主治医に連絡がとれる体制をつくっておくことが大切です。
受診する科目としては、皮膚科、小児科、整形外科、形成外科、循環器科、遺伝科となります。
森崎 裕子
コラーゲン線維の先天性異常で結合組織の
病因としては、1型、3型(血管型)、5型(古典型)のコラーゲン遺伝子異常、その他ではコラーゲン修飾酵素異常が知られています。臨床症状から、6型に分類されています。
古典型は、①
古典型は、小項目として、ⓐビロード様皮膚、ⓑ
血管型は、①薄く、透ける皮膚、②動脈、小腸、子宮の脆弱性または破裂、③甚だしい皮膚脆弱、④特徴的
臨床症状によって、古典型と血管型は診断がつけられます。確定診断にはコラーゲン蛋白質の合成・分泌を、患者の線維芽細胞を用いて検査するか、または遺伝子解析が必要です。
血管型はとくに、血管破裂、子宮破裂の予防ならびにそれに対する治療が重要です。予後は、血管型以外は良好です。
皮膚科、整形外科を受診します。
宇谷 厚志
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
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