出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
鰭脚(ききやく)目アシカ科の哺乳類。1属1種。吻(ふん)端が押しつぶされたようになり,他のアシカ科のものと異なる。雄は体長2.6m,体重400kg,雌2m,200kgに達する。体色は茶褐色からオレンジ色,ときに金色を呈する。南アメリカの太平洋,大西洋の両岸に分布し,太平洋岸はペルー中部以南,大西洋岸はウルグアイ以南に分布する。一年中沿岸域に生息し,沖合への回遊はない。繁殖期は12~1月で,授乳期間は6ヵ月~1年。繁殖期の雄は砂浜や小石,平たんな岩礁場になわばりを形成し,ハーレムを営む。1ハーレムに雌5~15頭が参加する。成熟年齢は雌4歳,雄7歳である。寿命は約20年。食性の幅は広く,カタクチイワシ,底生魚,イカ,ときにペンギンも捕食する。摂餌場は沿岸で,50mより浅い海域である。生息数は27万頭(1950-70調査)と推定。餌をめぐって人間との対立が古くからある。毛皮を目的に捕獲が行われている。
執筆者:内藤 靖彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
哺乳(ほにゅう)綱鰭脚(ききゃく)目アシカ科の海産動物。別名パタゴニアアシカ。南アメリカのペルーから南回りにブラジルの沿岸までに分布する。体形、大きさともアシカとトドの中間形で、雄は体長2.5メートル、体重500キログラム以上になり、雌は体長2メートル以下である。体色は褐色で、吻(ふん)部は幅広く、雄は成長すると後頭部と胸部にたてがみ状の毛が生える。アシカに比べると攻撃性が強いが、飼育すると人になれ、芸も覚える。日本での飼育は1973年(昭和48)からで、子も生まれた。
[鳥羽山照夫]
出典 小学館の図鑑NEO[新版]動物小学館の図鑑NEO[新版]動物について 情報
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