おめおめ(読み)オメオメ

デジタル大辞泉 「おめおめ」の意味・読み・例文・類語

おめ‐おめ

[副]《動詞「める」の連用形を重ねた語》恥ずべきことと知りながら、そのままでいるさま。また、恥とも思わないで平気でいるさま。「今さらおめおめ(と)帰れない」「よくもおめおめ(と)来られたものだ」
[類語]平気平静冷静事も無げ平ちゃら平気の平左無頓着むとんじゃく大丈夫悠然泰然自若じじゃく平然冷然恬然てんぜんけろりとしれっとしゃあしゃあぬけぬけのめのめ事ともせず何のその何処どこ吹く風河童かっぱ痛くもかゆくもない

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「おめおめ」の意味・読み・例文・類語

おめ‐おめ

  1. 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いられる ) 恥じるべき事と感じても、勇気がないため、また、恐れなどから、恥をそそぐことをしないさまを表わす語。転じて、恥しらずのさま、恥を感じないで平然としているさまを表わす語。のめのめ。
    1. [初出の実例]「景能おめおめとなりて〈略〉怠状をしければ」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)中)
    2. 「おめおめ太兵衛にそふ物か」(出典:浄瑠璃・心中天の網島(1720)中)

おめおめの語誌

( 1 )動詞「おむ(怖)」の連用形を重ねたもので、中古の「おづおづ(怖怖)」より遅く発生し、中世以降用いられたと考えられる語。
( 2 )早い例は軍記物に認められ、戦いの中で武士が敵、あるいは不仲な相手に屈伏することに関して用いられているが、必ずしも屈伏を恥ととらえる例ばかりではない。
( 3 )時代が下るにつれて、恥を甘受するさま、さらには、恥を知らぬさまをはっきりと指すようになり、批判的な意味合いを強めていった。

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