大丈夫(読み)だいじょうぶ

精選版 日本国語大辞典「大丈夫」の解説

だい‐じょうぶ ‥ヂャウブ【大丈夫】

[1] 〘名〙 (「だいじょうふ」とも) 立派な男子。ますらお。丈夫をほめていう語。
※正法眼蔵(1231‐53)古仏心「いはゆる雪峯老漢大丈夫なり」 〔孟子‐滕文公・下〕
[2] 〘形動〙
① きわめて丈夫であるさま。ひじょうにしっかりしているさま。ひじょうに気強いさま。丈夫(じょうぶ)
※清原国賢書写本荘子抄(1530)四「大丈夫な心な者はちとも物に犯されまいと、はたとしている」
※人情本・春色梅児誉美(1832‐33)初「ほんにおまへはマアさぞこわかったらふモウモウ気を大丈夫におもちヨ」
② あぶなげのないさま。まちがいないさま。
※洒落本・当世左様候(1776)「今江戸役者の評を一口にいわふなら先柏莚が大丈夫に慶子が妙家橘が拍子杉暁が極り」
※夢酔独言(1843)「丈助は書物も能よみて弁舌もよく、公辺もあかるくして大丈夫のものだから少も屈せず」
[3] 〘〙 まちがいなく。たしかに。心配はいらない。
※人情本・春告鳥(1836‐37)一一「必定(ダイヂャウブ)、今朝らア追出されて来る時分だとは思ったけれども」
※吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一〇「『さう旨く鳴くかい』『大丈夫鳴きます』」
[語誌](1)「丈夫」の美称で本来は(一)の意味の漢語であったが、日本では(二)の形容動詞的な用法が中世末頃から発達した。明治時代の「言海」「日本大辞書」では、「だいじょうふ」と「だいじょうぶ」とが別見出しになっており、前者は本来の意味を示し、後者は形容動詞や副詞的な用法を示す。
(2)「大丈夫」と「丈夫」とは、形容の語としてほぼ同じ意味用法であったが、近世に分化が起こった。明治以降「丈夫」が達者な状態や堅固なさまを表わすのに対し、「大丈夫」は危なげのないさまやまちがいのないさまを表わすという区別が明確になった。

だい‐じょぶ ‥ヂョブ【大丈夫】

〘形動〙 「だいじょうぶ(大丈夫)」の変化した語。
※今年竹(1919‐27)〈里見弴〉二夫婦「だいぢょぶだよ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉「大丈夫」の解説

だい‐じょうぶ〔‐ヂヤウブ〕【大丈夫】

[名]だいじょうふ(大丈夫)
[形動][文][ナリ]
あぶなげがなく安心できるさま。強くてしっかりしているさま。「地震にも大丈夫なようにできている」「食べても大丈夫ですか」「病人はもう大丈夫だ」
まちがいがなくて確かなさま。「時間は大丈夫ですか」「大丈夫だ、今度はうまくいくよ」
[補説]近年、形容動詞の「大丈夫」を、必要または不要、可または不可、諾または否の意で相手に問いかける、あるいは答える用法が増えている。「重そうですね、持ちましょうか」「いえ、大丈夫です(不要の意)」、「試着したいのですが大丈夫ですか」「はい、大丈夫です(可能、または承諾の意)」など。
[副]まちがいなく。確かに。「大丈夫約束は忘れないよ」
[類語]1)(2平気安心安全万全完全完璧十全完全無欠満点両全金甌きんおう無欠百パーセントパーフェクト全くまった文句なし無傷間然かんぜんする所がない水も漏らさぬ非の打ち所がない・心配無い・支障無い・差し支え無い・大事無い無事安泰平安安寧あんねい安穏あんのん小康確実無難無害穏やか平穏平らか温和事無しセーフティー無毒

だい‐じょぶ〔‐ヂヨブ〕【大丈夫】

《「だいじょうぶ(大丈夫)」の変化した語》
[形動]だいじょうぶ(大丈夫)
[副]だいじょうぶ(大丈夫)

だい‐じょうふ〔‐ヂヤウフ〕【大丈夫】

《「だいじょうぶ」とも》りっぱな男子。ますらお。偉丈夫。「豪放な大丈夫

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