日本大百科全書(ニッポニカ) 「オランダミミナグサ」の意味・わかりやすい解説
オランダミミナグサ
おらんだみみなぐさ / 和蘭耳菜草
[学] Cerastium glomeratum Thuill.
ナデシコ科(APG分類:ナデシコ科)の越年草。茎は株立ちとなり高さ約20センチメートル。葉は柄(え)がなく対生し、楕円(だえん)形で長さ約1.5センチメートル、両面とも毛に覆われる。4月から5月にかけて、茎の先の集散花序に多くの花をつける。花弁は5枚、長さ5ミリメートルほどで白色、先は浅く二つに切れ込む。果実は、萼(がく)よりも長く突き出て、先が10裂する。ヨーロッパ原産の帰化植物で、日本全土の畑や道端の雑草となっている。全体が黄色がかった緑色で、毛が多く、花柄が萼片よりも短いので、同じく雑草であるミミナグサと区別する。日本に帰化したのはオランダミミナグサのほうが新しいが、都市部を中心に分布を広げ、いまではミミナグサよりもよくみられるようになった。
[三木栄二 2021年1月21日]