オルフ(読み)おるふ(英語表記)Carl Orff

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オルフ」の意味・わかりやすい解説

オルフ
Orff, Carl

[生]1895.7.10. ミュンヘン
[没]1982.3.29. ミュンヘン
ドイツの作曲家,指揮者,音楽教育家。 1914年ミュンヘン音楽院卒業,ドイツ各地で指揮活動をし,21年 H.カミンスキーに師事,その影響でルネサンスバロックの音楽に興味をもつ。 24年,ギュンター学校創設に助力し,J.ダルクローズの教育路線によって 35年まで教鞭をとる。このときの経験をもとにして,音楽教育用の"Schulwerk"を出版。 37年代表作の一つ『カルミナ・ブラナ』を作曲し独自の作風を確立,43年『カトゥーリ・カルミナ』,その後『アンチゴネ』『アフロディテ勝利』などギリシア悲劇題材とした作品が多い。オルフの作風はリズムを重視し,打楽器を多く用い,そのうえに単純明快なユニゾンや5度の反復的旋律を用いて力強い原始的な効果をあげている。 50~60年はミュンヘン音楽大学で教鞭をとった。 59年連邦功績章受章。 62年夫妻で来日,日本の学校音楽教育にも影響を与えた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オルフ」の意味・わかりやすい解説

オルフ
おるふ
Carl Orff
(1895―1982)

ドイツの作曲家、教育家。ミュンヘンの音楽アカデミーで学んだのち、指揮者として活動。1924年ギュンターとともに、体育舞踊、音楽のためのギュンター学校を設立。音楽と身体の動きの結合を強調した新しい総合的音楽教育システム(いわゆるオルフ・システム)の実践に努めた。また、ミュンヘンのバッハ協会の指揮者、ミュンヘン高等音楽学校の作曲科教授等を歴任。作品はほとんど劇音楽で占められている。そこでは、ことばと音と動作の一体化が目ざされ、その点でギリシア古典劇の伝統を引くものであるといえる。主要作品は、三部作をなす舞台形式によるカンタータカルミナ・ブラーナ』(1937)、『カトゥッリ・カルミナ』(1943)、『アフロディテの勝利』(1953)、オペラ『賢い女』(1943)、『専制王エディプス』(1959)、『プロメテウス』(1968)など。またオルフ・システムの教則本は数か国語に翻訳され、世界中で広く使用されている。

[寺田由美子]

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