ロシア連邦,ヨーロッパ・ロシアの南東部,同名州の州都。人口53万8626(2004)。1938-57年間はチカロフと呼ばれた。ウラル山脈の南端に位置し,1735年,ウラル川とオリ川の合流点(現,オルスク市)に要塞として創建されたが,43年,北方の現在の地点に移り,オレンブルグ軍事境界線上の要地となった。元来はウラル・コサックの地で,ロシアと中央アジアを結ぶ交易の中心地であった。73年10月から翌年3月まで,プガチョフ軍が占拠。18世紀末には,デカブリスト的傾向のオレンブルグ・サークルが誕生した。1833年9月には,プーシキンがプガチョフの乱に関する資料収集に訪れている。革命前,サマラ~オレンブルグ(1877),オレンブルグ~タシケント(1905)の鉄道開設とともに,製粉・製脂・皮革・搾油などの産業が発展した。1917年革命時には革命派と反革命派の争奪点となった。現在,機械製作・金属加工業,ショール,手編みの柄物編物の生産が行われており,要塞が残っている。
執筆者:高田 和夫
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ロシア連邦西部、オレンブルグ州の州都。ウラル山脈南西、ウラル川の川岸にある工業都市。人口53万2000(1996)。1743年、ステップ(短草草原)地帯の遊牧民に備える要塞(ようさい)が建設されたのが始まりで、のち中央アジアとの交易の中心として発達した。19世紀後半の鉄道開通とともに重要性が増し、農産物加工業もおこった。ロシア革命(1917)後、とくに第二次世界大戦時、西部から送られてくる精肉の加工工場をもとに工業が発展した。主要な工業はガス・石油採掘のほか、工作機械、水圧機、トラクター、コンバイン部品製造、製粉、配合飼料、油脂、食肉、肥料、皮革、絹織物工業である。工科、医科、農業、教育の各大学、郷土博物館、造形美術館がある。鉄道の分岐点で、空港もある。1938~57年にはチカロフЧкалов/Chkalovと称した。
[中村泰三]
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