オレンブルグ(その他表記)Orenburg

デジタル大辞泉 「オレンブルグ」の意味・読み・例文・類語

オレンブルグ(Orenburg/Оренбург)

ロシア連邦西部、オレンブルグ州都市。同州の州都。1938年から1957年までの旧称チカロフウラル山脈南西ウラル川沿いに位置する。18世紀半ば、タタール侵入に備えて要塞を築いたことに起源し、中央アジアとの交易要地となった。19世紀後半の鉄道開通以降、工業都市として発展

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改訂新版 世界大百科事典 「オレンブルグ」の意味・わかりやすい解説

オレンブルグ
Orenburg

ロシア連邦,ヨーロッパ・ロシアの南東部,同名州の州都。人口53万8626(2004)。1938-57年間はチカロフと呼ばれた。ウラル山脈の南端に位置し,1735年,ウラル川とオリ川の合流点(現,オルスク市)に要塞として創建されたが,43年,北方の現在の地点に移り,オレンブルグ軍事境界線上の要地となった。元来はウラル・コサックの地で,ロシアと中央アジアを結ぶ交易の中心地であった。73年10月から翌年3月まで,プガチョフ軍が占拠。18世紀末には,デカブリスト的傾向のオレンブルグ・サークルが誕生した。1833年9月には,プーシキンプガチョフの乱に関する資料収集に訪れている。革命前,サマラ~オレンブルグ(1877),オレンブルグ~タシケント(1905)の鉄道開設とともに,製粉・製脂・皮革・搾油などの産業が発展した。1917年革命時には革命派と反革命派の争奪点となった。現在,機械製作・金属加工業,ショール手編みの柄物編物の生産が行われており,要塞が残っている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オレンブルグ」の意味・わかりやすい解説

オレンブルグ
Orenburg

1938~57年はチカロフ Chkalov。ロシア西部,オレンブルグ州の州都。ウラル山脈南西麓,サクマラ川がウラル川に流入する地点に位置する。 1735年,現在オルスク市があるオリ川とウラル川の合流点にオレンブルグ要塞として建設されたが,43年航行に便利な現在地に移転,「オリ川岸の町」を意味するオレンブルグはそのまま市名として使用された。当初は南のステップ地帯の遊牧民族に対する軍事拠点であったが,中央アジアとの交易が盛んになるにつれて商業・交易中心地になった。特に 1870年代サマーラより南東へ延びる鉄道が市を通って遠くカザフスタンのステップまで敷設されたことにより,市はヨーロッパロシア中部とカザフスタン,中央アジアを結ぶ重要な中継地となり,製粉工業も興った。第2次世界大戦中,西のほうから疎開してきた工場をもとに工業が発展しはじめ,現在,機械 (水圧機,工作機械,冷凍設備) ,化学 (肥料,合成油脂,ゴム製品) ,食品 (食肉,製粉) ,配合飼料,皮革,絹織物などの工業が発達している。教育,医学,農業の各大学や美術館,郷土博物館がある。鉄道交通の要地で,空港もある。人口 54万6987(2010)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オレンブルグ」の意味・わかりやすい解説

オレンブルグ
おれんぶるぐ
Оренбург/Orenburg

ロシア連邦西部、オレンブルグ州の州都。ウラル山脈南西、ウラル川の川岸にある工業都市。人口53万2000(1996)。1743年、ステップ(短草草原)地帯の遊牧民に備える要塞(ようさい)が建設されたのが始まりで、のち中央アジアとの交易の中心として発達した。19世紀後半の鉄道開通とともに重要性が増し、農産物加工業もおこった。ロシア革命(1917)後、とくに第二次世界大戦時、西部から送られてくる精肉の加工工場をもとに工業が発展した。主要な工業はガス・石油採掘のほか、工作機械、水圧機、トラクター、コンバイン部品製造、製粉、配合飼料、油脂、食肉、肥料、皮革、絹織物工業である。工科、医科、農業、教育の各大学、郷土博物館、造形美術館がある。鉄道の分岐点で、空港もある。1938~57年にはチカロフЧкалов/Chkalovと称した。

[中村泰三]

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百科事典マイペディア 「オレンブルグ」の意味・わかりやすい解説

オレンブルグ

ロシアの都市。ウラル山脈南西部,ウラル川に面し,鉄道交通の要地。1938年―1957年チカロフと称した。機械・製粉工業が行われる。1735年城砦(じょうさい)として創設。ウラル・コサックの拠点で1773年のプガチョフの乱で占拠された。52万5025人(2009)。
→関連項目ウラル[川]

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