カリテス(読み)かりてす(英語表記)Charites

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カリテス」の意味・わかりやすい解説

カリテス
かりてす
Charites

ギリシア神話女神。カリスCharisの複数形。父親ゼウスであるが、母親には諸説ある。元来は植物神で、春の芽生えの象徴と考えられるが、美と優雅をつかさどる女神として知られ、普通タレイア(繁栄)、エウプロシネ(喜び)、アグライア(輝く女)の3人とされる。一般に彼女らはアフロディテまたはほかの女神に従属する脇役的地位にあるが、若く美しいその肢体はしばしば芸術作品のテーマに取り上げられている。

[丹下和彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カリテス」の意味・わかりやすい解説

カリテス
Charites

ギリシア神話の美と典雅の女神たち。ローマではグラチアエと呼ばれた。ゼウスとオケアノスの娘の一人エウリュノメの交わりから生れた3人姉妹で,アグライア,エウフロシュネタリアと呼ばれ,アフロディテと密接に結びつけられ,しばしばその侍女の役をつとめるが,同時にミューズたちとも親しく,神々の宴席アポロンとミューズたちの音楽に合せて踊り,興を添えるとされた。ヘラの娘とされることもある。

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