日本大百科全書(ニッポニカ) 「カルチベーター」の意味・わかりやすい解説
カルチベーター
かるちべーたー
cultivator
欧米で開発された畑作物用の中耕除草機。中耕爪(づめ)、除草・培土刃を雑草の程度にあわせて調整し、爪刃の引き抜き作用、切断作用、埋没作用の組合せによって条間の除草を行うもので、最近は除草剤と組み合わせて、作物の生育初期から中期にかけ1~2回程度の機械除草に使用する。畜力用1条5本爪カルチベーターが1870年(明治3)プラウとともにアメリカから輸入され、北海道の畑作地帯で利用されていたが、昭和20年代に急速に普及した府県では、畑作物の中耕除草以外に、中耕爪と除草刃の調整によって、ムギの簡易整地や土入れ、ムギの踏圧(とうあつ)といも(ジャガイモ)の掘り取りなど広範囲に使用されてきた。その後、役畜が機械に置き換えられ、テイラー用の1~2条、トラクター用の3~5条の多条カルチベーターが利用され、さらに動力で爪刃を回転させながら中耕除草を行うロータリー式カルチベーターの利用が増加の傾向にある。
[佐藤清美]