カルバゾール(かるばぞーる)とは？意味や使い方

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カルバゾール」の意味・わかりやすい解説

窒素を含む複素環式化合物の一つ。ジベンゾピロールdibenzopyrroleともいう。石炭の乾留により得られるコールタール中に含まれ、コールタールの分留で高沸点の留分として得られるアントラセン油から分離・精製する。原油にも含まれている。昇華性をもつ無色の結晶で、水には溶けず、エタノール（エチルアルコール）やエーテルにも溶けにくい。この化合物を濃硫酸に溶かした溶液に硝酸イオンや亜硝酸イオンを加えると暗緑色を呈するので、これらのイオンの検出に用いる。工業的には染料とプラスチックの合成原料としての用途がある。

［廣田　穰］

[参照項目] | アントラセン油 | コールタール

[補完資料] | カルバゾール（データノート）

カルバゾール

　分子式　C₁₂H₉N
　分子量　167.2
　融点　　245℃
　沸点　　355.96℃
　比重　　1.0001（測定温度25℃）

[参照項目] | カルバゾール

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について　情報 | 凡例

コールタールのアントラセン油部分から抽出分離される無色葉状晶。融点 245℃。昇華性がある。染料原料，耐熱性高分子原料，とりわけ，すぐれた紫色の顔料であるカルバゾールジオキサジンバイオレットの原料となる。

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